東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『台風と映画とDVDと漫画と』

■ 東京に台風が来たのはもう数日前で、今ではその形跡はすっかりない、と思う。直撃すると予報された夜から朝にかけて僕は絶妙なタイミングで仕事があり、想像していたよりはすごくない雨と、想像していたぐらいの風に驚きながらタクシーに乗って職場へ向い、延々と繰り返されるテレビの天気予報を横目に寝たり起きたりし、明け方になってから、車でとある場所に向かう道すがら、すごく増水した多摩川を車中から眺め、「ああ、これで俺のちょっと前にやった仕事は水泡に帰したな」とかなんとなくぼんやりと思いつつ、仕事をこなし、午前中からすっかり晴れたいわゆる台風一過に、あれはなんだったんだろうと思わずにはいられない一日を過ごしていた。


■ それで仕事が終わり、23時に池袋にいるかげわたりの面々ととある話をする用事で合流。あまり寝てないせいか少しぼんやりとしつつも、ある件について話をする。思ったことを言ってみる。これ以上は書くことではないので控えるが、とにかく今は自分の身体とか表現をもう少しきちんと見つめ返す必要がある。2時過ぎに帰宅。


■ さすがに疲れていたので土曜日は昼過ぎまで寝ていた。それから起きだして池袋まで歩く。



家を出たときは風が涼しくて、これはもう秋だなと思うも、歩いているとけっこう汗ばむ。道すがら、とあるラーメン屋に入って塩ラーメンを頼む。どうもダシの匂いが強すぎて馴染めず。シネマロサでレイトショー上映されている『童貞。をプロデュース』のチラシを見て、夜に見ようかと思う。それから野暮用に時間を費やす。それで時間はあっと言う間に過ぎる。結局、『童貞。をプロデュース』は見れず。本屋で気になっていた武冨健治さんの『鈴木先生』を購入。これ、面白いや。家に帰ってから『ジャパンカウントダウン』と『やりすぎコージー』のテレ東ラインナップを見る。今田と東野のワルノリに、おそらく本気で怒ったであろう村上ショージの発言さえもさらりとかわす2人のスタンス、しかもワルノリ加減を崩さずに。そこに、どこにも属さないこの2人の笑いに対する感性を感じる。それから『鈴木先生』を3巻まで一気に読んで就寝。


■ 日曜日。渋谷に行く。『ブラック・スネーク・モーン』を観る。面白い。セックス依存症クリスティーナ・リッチを治療しようとするサミュエル・L・ジャクソンの、当初の動機は、あれ、どう考えても悪魔憑きを追っ払おうとする態度だよ。ある種の狂気がそこにある気がする。そして映画の重要な鍵となるブルースの存在。ブルースは男と女の間で生まれることを歌にしているものもあるんだと語るその言葉がすんなりと入ってくるのはなんなのか。普通にそういうことを聞くと気恥ずかしさを感じるのに、そういうことはまったくない。結論として、ブルースってものが、そしてそれを唄うサミュエル・L・ジャクソンのおっさんぷりが、そういうことをまったく気にさせないほどかっこいいからなのだろうな。


■ 映画を観終わってから渋谷の街をフラフラする。代々木公園まで歩くとえらく賑やか。なにやらブラジルに関する祭りをやってるみたい。



ほんとにね、なんか、ブラジルに行ったみたいだった。みんな陽気にはしゃいでる。ステージでは音楽が流れており、客が踊っている。鶏肉とかソーセージを売る人たちもみんな「イッポン、ヒャクエンデース」と鶏肉を振りかざしてはしゃいでいる。楽しいなぁ。なんとはなしに身体が動き出す。『ブラック・スネーク・モーン』のライブシーンでもみんなが踊りだしていたけど、気持ちいいと身体が動き出すもんなんだな。衝動だ。もっと震えだしてもいいくらいだ。ほんとに。




■ 祭りを後にしてから本屋へ。やっとこさ阿部和重さんの『シンセミア』1巻を購入。


■ 地元に戻ってからツタヤで『松ケ根乱射事件』を借りる。あの台詞まわしと役者の立ち方。どこで読んだか忘れたけど、誰かが主人公の男がある場面でいきなりゲロを吐くシーンを絶賛していた。確かにあのシーンはほんとに面白い。あのタイミングで、あの方向に飛ばすか、ゲロを。近年に観た映画の中では群を抜くゲロ吐きだった。うん、いいゲロを吐いた。