東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『健康28歳、地下を行く』

■ 会社の健康診断があった。血とか排泄物大とか排泄物小とか、身体の中を流れるものから、外へ吐き出すものまで、いろいろ調べていただき何やらいたれりつくせりで有り難いなぁとは思うものの、排泄物大を調べてもらう為に、大便を少量ナニするあれを、自宅のトイレで行なうにあたっては、『ナニヲシテイルンダオレハ』という思いを止めることができないでいる。


用を足す。便器の中を覗き込む。そしてまさに今、自分の中からおさらばした排泄物大と向き合う。「よぉ、元気ぃ?」みたいな気さくな感じで接することなどは当然できないわけで、便器の中の水に浮いてるんだか沈んでるんだかようわからん状態の排泄物大をまじまじと見ることになるこの時間のどうしよもなさに途方にくれるばかりだ。人によっては日々の排泄物大を観察し、健康状態とかそういったものをチェックするという方もおられるのかもしれないが、そういった習慣のない私にとってその人生において数える程しかないであろう排泄物大との対峙の時間は、妙な意味合いで刻まれていく。


 まぁ、それはともかく概ね健康だった。少し痩せてはいたが、健康28歳だった。痩せたおかげか体脂肪率も以前より減る。何よりだと思う。


■ 健康診断後、ある仕事で地下鉄を行ったり来たりした。渋谷から上野。東京メトロ銀座線、それから日本橋から東陽町へは東京メトロ東西線。識別がしやすいようになのだろうが、それらの線は色分けがされている。銀座線はオレンジで、東西線は青。他にも地下鉄の構造からして各線特徴があり、いろいろと面白いので乗っていても飽きない。僕個人のイメージでは、例えば東西線は学生が乗るイメージで、半蔵門線南北線はすこし洒落たイメージ。まぁ、それは人によって違うのだろうけど。


東京メトロのホームページを見ると、とても見やすい路線図がある。見やすいとはいっても、頻繁に使う東京の人以外にはごちゃごちゃとしてわかりにくいのかもしれないが。大阪の友人が東京に来ると、その電車の複雑な路線図に呆然とするらしい。東京の電車網は血管みたいに入り組んでいる。僕は、この路線図が好きだ。なんというかとても魅力的。


それで、今、この路線図で注目すべきは新しく作られる副都心線だろう。有楽町線の流れをくみつつ、池袋〜新宿〜渋谷までを結ぶ新しい線。東京の地下鉄としては13番目のものなので、仮称は地下鉄13号線だった。いつの間にか正式名称が決まっていたが、僕は13号線の方がかっこいいと思う。というか今更、この3都市を副都心とはよばないだろう。とはいうものの、この3都市は、果たして今、東京の中心となりえるのかは疑問だが。


13番目に出来た地下鉄。そこが結ぶ池袋〜新宿、そして渋谷。今、この埼玉からこの3都市をつなぐ新線がつながることで、どういった変化が東京に生じるのだろうか。新しい血潮が、地下の底からその都市に流れることで、何が変化するのか。そして何より13という数字。その数字が持つ奇妙な魅力とともにそこには何やらある気がしてならない。