東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『人を見る』

■ とある仕事で、久しぶりに演技をする人をたくさん観た。人を見るのは面白い。声の発し方、トーン、目線の動かし方、身体の揺れ、指示された演技の消化の仕方、どれも人によって異なる。観ていると本当に面白い。


  がんばりすぎる人が多い印象を受ける。例えば『カレーを食べたからお腹が一杯だ』という台詞を言ってくださいというと、ある人は『ああ!もうお昼だからお腹が空いちゃったなぁ!』と、まだ食べてないうちからの話を創作しはじめる。なにもそこまでがんばらなくてもと思うが、こちらとしてはそういうがんばりによって生じた予測不能なベクトルに面白さを感じつつ、その人の魅力を観察していく。


  演じるということを意識してやる人たちを久しぶりに観ると、いろいろ思うところがあった。例えば自己紹介と、役を演じるときではまず発声から違う。同じ台詞を言わせてもトーンが変わっている。この変化の不思議。演じるということへの、その人の根本的な考え方がその辺にあるようにも思う。いずれにしてもとても面白い時間を過ごした。


■ 帰宅途中、どなたかの家の前に『中古のライダースーツとブーツです。ご自由にお持ちください』と書かれた紙が貼られた紙袋が置いてあった。衣服の中でも、とくにこう密着感のあるこういう類の服って、中古は抵抗あるが持っていく人はいるのだろうか。