東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『見る顔と遠い声』

缶詰のような状態の仕事が続いている。今週末まで。


20日(水)の夜に、仕事をやりながら映画学校に通っているS君と池袋で会った。S君が作った自主映画が出来上がったと言うことでDVDに焼いて貰った。ありがたやありがたや。それからお酒を飲みながらいろいろ話す。最近、神宮球場で野球を観たらしい。うらやましい。野球場は好きだ。バットにボールが当たると、カキッという乾いた独特の音が球場全体に響き、客席の、一人一人の発する声が球場のお椀の様な構造のなかで、うねりながら巨大な歓声になる。あの感覚。

家に戻ってからさっそくS君の自主映画を観る。すごく上手な作りだと思った。大きな鉄塔を眺める青年の横顔のアップにシーンが個人的にはすごく好きだった。僕は、なにかを見てる人の顔が好きなのです。



24日(日)の夜2時ちかく。仕事から帰って来たら、家で嫁Mとかげわたりの家常さんと宮嶋君が酒宴を開いていた。気がつけば私もビールを手に持っていた。そしてなぜかジャジーな音楽に合わせてカミュの『異邦人』の一節をエロく読む大会が催された。無論、誰よりもエロく読むことを競う大会。ならばと家にあった『猫カフェめぐり』という雑誌の一節もエロく読む。そのうちスナック菓子の袋の裏面の成分表示もエロく読む。手元にあるものなんでもエロく読む。それで『酸化防止剤』という言葉は、どう読んだとてエロにはならないことを悟る。
「あ、そうだ」と宮嶋君が、以前僕から借りたというCDを返してくれたのだけど、そのCDの束の中に『新垣勉の軌跡』というまったく身に覚えのないCDまであった。貸してないってとつっこむが、宮嶋君は僕の部屋から持って来たという。うーん、どこからきたのか、新垣勉


宮嶋君が教えてくれたキセルという兄弟ユニット。なんだか遠くから聞こえてくるような声と音。『ベガ』という曲に惹かれて、思わず『近未来』というアルバムを購入してしまった。宮嶋君に借りればよかったのだけど、欲しかった。