東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『三鷹にて記録する』

土日は三鷹の劇場で、芝居の記録映像の撮影をしていた。僕が撮った自主映画に出演してくれたKさんから頼まれて、Kさんが出演している芝居の記録を頼まれたわけであり。

Kさんには自主映画に出演してもらったきりでお礼というとちょっと仰々しいのだろうけれど、何もできてなかったので、僕でよければ微力ながら協力できればと思った。

芝居の記録は、照明の変化にうまく対応しなくてはならないので、本来ならば技術を持った撮影スタッフの方がいてくれればと思うのだけど、今回は一人。とりあえず調査した結果、これだと思われるカメラをレンタルし、三脚を携えて三鷹へ。

久しぶりの芝居の現場。Kさんや役者の方から宜しく御願いしますと言われ、恐縮しながらセッティング。土日あわせて4回の公演で、4回カメラをまわす。音楽が流れつつ、台詞をしゃべっている箇所は、どうやってつなぐのかといった問題はあるものの、正面のヒキ、ヨリ、上手から、下手から、と4パターンの画をなんとか撮る。2時間の公演なのでさすがに疲れた。

久しぶりに裏方として芝居に参加出来た。土曜の昼の回、僕が初めて観た(といってもカメラをまわしながらだけど)回は、役者さんの動きもテンポもよく、お客さんの反応もよかった。夜の回、あくまで私見だけど、序盤で昼の様なテンポの「ノリ」がなく、きっとそういう流れのせいだろう、数名の役者さんが台詞を間違えてしまい、それが元で全体的に乗り切れてなかったように思えた。ほんのちょっとしたところだったと思う、具体的に「なにが」ではないのだけど、ちょっとしたことが芝居全体の印象を変える。

やっぱり芝居は楽しいなと思う。

本番前に舞台で柔軟をする役者さん。裏方さんと談笑。公演直前、役者さんが舞台に集まって最後のミーティング、それから円陣を組むところとか、かつて僕もやっていた。芝居って、とても効率が悪い。何人もの役者さんとスタッフさんと、お手伝いさんが必要で、みんなが同じ場所に集まらなければならなし、お客さんも決められた上演時間に来なくてはならない。何ヶ月も稽古した結果、数日の数回の公演ですべてが終わってしまう。それなのに、どうしてこれほど面白いのか。

僕は、お客さんの入ってない舞台をぼんやりみたり、スタッフさんが準備をしている空間が好きで、小屋入りすると何もないのに劇場の中にいることが多い。そんなことをいろいろ思い出す。いやいや、過去形になどしたくないもんだ。

しかし、撤収時、舞台のバラシをテキパキとこなすスタッフさんの横で、何も出来ずに呆然としている自分を鑑みるに何とも無力を痛感する。

及ばずながら、きっちり編集して、いい映像を作れればと思う。



先週の金曜の夜、仕事のからみで地上35階相当の高さの建物の屋上から東京を見る機会を得る。ビルがぼっこぼっこ建って、住みづらい土地なのかもしれないけれど、街の灯りは本当にとてもきれいだなと思う。