東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『色彩の映画』

寒さは厳しいものの快晴の一日は気持ちが良い。


友人、親戚、職場の方々から年賀ハガキを頂き、それの返事を書く。年が明けてから年賀ハガキを作成する。悪しき習慣。それほど量が多いわけではないので、住所は手書きで書く。多いわけではないけど、繰り返しになるとさすがに疲れる、が、気分的に住所を出力でやるのがどうも嫌で、というか、あれのやり方がよく判らない。というわけで、遅まきながらポストに投函。


ゴダール・ソシアリスム』と『白いリボン』を観る。異なる刺激を受ける。色彩がそもそも違う。それはそのままその映画に根底に流れる思想になっている気がする。『ゴダール・ソシアリスム』の、時に息をのむほど美しい画面が、惜しみなく次へと展開される。そこに物語を求める受け手をほおって映画は独自の道を進む。映画であることを疑い、挑み続ける姿勢が、結果的に映画でしかなし得ないものを作り出していると思える。
白いリボン』に流れる重厚な時間。観終わってすぐは、映画の進行をするナレーションの存在が余計に思えたけど、逆の考え方をすれば、あのナレーションが、「犯人は特定されなかった」という着地点に誘導してくれるものとしてある。ナレーションと教師の存在がこの映画の緩衝剤としてあり、息が詰まりそうな緊張感が続く映画に少しだけ息継ぎの時間を提供してくれる。第一次大戦前夜という歴史背景をきちんと把握していない身としては、当時のドイツを覆う昏さをどこまで理解できたか判断が難しいのだけれど、互いが牽制しあう村人の様は、なぜか今の管理型の社会における人の様とリンクして見えてきて、もはや現代は戦後ではなく戦前なのだと思えてならない。


というわけで正月休みも終わる。