東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『トーキョーフィールドワーク』

快晴の日曜。勇んで布団を干して、洗濯。さらに掃除機をかける。


カメラを抱えて、ちょっと繁華街に行きたいと思いつつ、どこに行こうか悩む。それで上映されている映画を調べると、渋谷と有楽町で『わたしを離さないで』がまだやっているのでどちらかに行こうと思案した末、有楽町に行くことに。久しぶりの有楽町線。上映時間ギリギリでチケットを購入。は公開からずいぶん経っているのにまだかなりお客さんが入っていた。
課せられた宿命に対する個人の意志がどこか希薄に感じられつつ。なぜ、愛した男を友人に取られたことを彼女はすんなり受け入れるのか。そして、なぜ自分に課せられた極めて過酷な宿命を受け入れるのか。逃げることができそうなのに、それをしないのは?3人の中心人物のうち、特に中心に存在するキャリー・マリガン演じる女性の、言葉数の少ない中で全てを受け入れ1人涙する役柄が、実に見事に演じられているとは思いつつ、どこかその「すんなりさ」にモノ足りなさも。熱っぽさではなく。「ガタカ」は極めて冷たい手触りだけど、そこに出てくるイーサンホークの執念はその冷たさの中でも響いてくる。


映画を観終わったあと、有楽町の町を歩く。それから東京駅に向かい、さらに上野も歩く。大勢の人が歩いている。立っている。ぼんやりと考え続けている新しいことへのフィールドワーク。それで町を歩く。いかんせん、腰の痛みからくる足の痛み。それで疲れて夕方には帰宅。少し横になろうかと思った矢先、ポツポツと雨が降り慌てて布団をしまう。


ダーレン・アロノフスキー『レスラー』。自分に残されたたった一つのモノをやりとおす。それもまた執念。過去の栄光の懐古ではなく、リングという今、ここに立つことが、自分にとって最後に残されたモノなのだという気迫。


町を歩いていると、親子連れが多く、娘子のことが恋しくなる。嫁氏に写メールを送ってくれと頼むと、本日は初めて温泉にいれたと返信。0歳にしてビバノンとは贅沢なことだなぁと思う。