東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『反射のように語られる物語』

嫁氏から娘子を撮った携帯画像が2枚送られて来た。
何かをじっと見ている画像。

で、次の画像でそのタネ明かし。

思いっきりテレビに釘付け。知ってる人は知っているNHK教育テレビ(今はEテレというのか)の『見いつけた!』である。拡大してもらう必要があるけれど、出演者である三宅弘城さんの絶妙な顔よ。

『見いつけた!』といえば、『おててえほん』というコーナーが面白い。ざっくりと説明すると、幼稚園児たちが、自分の手を絵本に見立て、その手を開き、自分が思うままに物語を話すという内容。事前に考えてもらっているのか、まさにその場の即興の作品なのかは定かではないのだけど、ここで語られる物語は、どれも本当に面白い。この『面白い』をどう伝えればいいのかとても難しい。
『物語』を語る行為には、それを聞く他者の存在があり、その物語を『理解』し『共感』することを望むわけだけど、園児達の『物語』には、それを聞く他者の存在よりも、自分の中の世界を言葉にすることに重点を置かれているように思う。つながりとか起承転結などはおかまいなし。だからこそ出現する見た事もない物語がある。

改めて調べると、ネット上に『おてて絵本普及協会』なるサイトがあることを発見する。そのサイトの中に、いくつか『おてて絵本』が掲載されている。例えばそれはこんなもの。なんというか、脳の中の、理性の部分を無視した、ひらめきという筋肉の反射運動のような言葉。

『むにゃむにゃの話』

むにゃむにゃが、むにゃむにゃのおうちに来ると、パンダがやって来た。
そしたら、でっかいでっかいコアラがやって来た。
そして、でっかい恐竜たちが来た。
ティラノサウルスたち。むにゃむにゃくんを食べました。
でも、ブラキオサウルスが強かったからさ、ティラノサウルスたち、もう死んだ。
ブラキオたちがやっつけたから、もうだいじょうぶ。
でも、プテラドンがまた来たけど、プテラドンはもうさ、ブラキオ探してたの。
で、ブラキオを食べちゃったの。
あとは、でっかすぎるさ、ロボットが来た。ロボット。
そしたらさ、みんなで暮らした。


瞬間的に言葉が生まれ、それを言葉にしていくことで、次の物語が紡がれているような気がする。
難しく考えなければ、反射のように言葉が出現している。

その魅力たるや

純粋なでたらめから出現するみたこともない物語。面白いとしか言いようが無い。
いつか、娘子にも語ってもらいたいと思う。