東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『花やしきや百日紅のこと』

tokyomoon2015-11-24

22日(日)。娘が花やしきあらかわ遊園に行きたいというので、花やしきへ出かけた。振り返ると1年くらい前にも行っていた。雑司が谷から池袋、丸ノ内線に乗り換え本郷三丁目へ。それから大江戸線に乗り換え蔵前へ行き、蔵前から浅草線で浅草へ。そこまで遠い場所ではないけれど地下鉄を乗り継ぐと乗り換えが多い。そして浅草は毎度のことだけど混んでいた。


花やしきでいろいろな乗り物に乗る。まだ身長が120センチに達してないので乗れない乗り物もあったけれど、それでも十分いろいろ乗れる。というか、混雑しており並んで時間が取られてしまう。コースターは60分待ちだった。どこもかしこも遊園地は混む。娘はお化けとかその類がダメなようで、お化けがでてくる乗り物は嫌がっていた。パシャパシャと写真を撮ってみると、昨年撮ったものと同じようなものが撮られていた。似たようなものを撮るなぁと思うのだけど、遊園地で撮るものなど、何かに乗っている写真か、何かを食べている写真のいずれかだろう。18時で閉園。健全な時間に終わるのも良い。ギリギリまで遊んで外へ出る。浅草寺がライトアップされて綺麗だった。娘はあっという間に眠くなり、帰りは乗り換えの無いバスで池袋まで帰ることに。50分くらいかかったけど寝ているとあっという間だった。


原恵一監督『百日紅』と映画『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語』を観た。『クレヨンしんちゃん』はゾンビ映画の様相で怖いくらいのもんだった。最終的にはみんな助かるけれど、人食いサボテンにバクバクといきなり食べられ始めたり、追い込まれていくあたりの怖さは子供向けと甘く思っていると痛い目にあう。改めて思うと、いわゆる勧善懲悪ではないことも、この作品の面白いところだと思う。人食いサボテン自体は音を立てて動き回る生き物を捕食するだけ。だから物語は共に逃げる人間たちの中で進行していく。そこも典型的な子供向け作品と一線を画すのではないか。


原恵一監督『百日紅』も面白かった。北斎とその娘の日々を点描で描いた作品。短編連作の様相。その1つ1つが味わい深いし、普段の話であってもそれが江戸時代の丁寧な時代設定を踏まえたうえで描かれているから面白い。そして、突然怪奇的な展開の物語が描かれたりするけれど、例えば灯りがなければ真っ暗闇が広がるはずの世界、テレビも携帯もない江戸時代では、今の僕たちには想像もできない日々があるかもしれないのは当然だし、もしかすると『百日紅』で描かれている出来事たちが、無かった、とは誰にも断定できない。想像できる世界に振り幅があるほうが絶対に面白い。さらに、例えば吉原の芸者さんが、心霊現象を探りにきた主人公たちに「そういうものが見たければ橋を渡って東両国に行きなさい」と促す場面があるけれど、それは当時の東両国、つまり大川(隅田川)を渡った向こうに見世物小屋などがあったことを示す言葉であり、川を渡って向こう側には吉原に生きる人たちでさえ、例え話にするような異界的な世界があったことを想像させる。それで僕はかつて小林信彦さんの著書でそれに関する内容の話を読んだなぁと思い出した。自分の日記を読み返すとその時のことが書いてあり、改めて読み返したい気になる。(http://d.hatena.ne.jp/tokyomoon/20060829)そういうことを知っていると台詞の一つ一つにある面白さにさらに気づかされる。


それにしても冷え込み厳しい日々。やや喉が痛いのが不安だ。