東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『生かし、生かされる関係』

引き続き、芳しくない天気。天気予報では気温が上がると言っていたのだけど、それを実感できなかった一日。


ニュージーランドに行っている友人から久しぶりにメール。彼も就職活動中らしく、苦労しているとのこと。驚いたことに40件ほど履歴書を送って、電話が来たのは2件だけらしい。1件の求人に100名ほどの募集が来るそうな。詳しくは判らないが、国籍の違いなんかもやはり厳しさの要因なのだろうか。元来負けん気の強い友人なので、ここもがんばってほしい。それに比べると自分の就職活動はまだ緩いのだと思う。とりあえずは2件の返事待ち状態。まぁ、待っている時にボーッとしていてはダメなのだろうけれど。


そんな最中、NHKのBSでやっていたハイビジョン特集『よみがえりの森 千年の村 クニ子おばばの焼畑物語』を観た。
60年以上、焼畑農業を続ける一人のおばあさんのドキュメンタリー。人の生が他者の命を奪って生きなければならぬ宿命であるとするならば、けれどそれを一方通行にするではなく、「生かし、生かされる」関係として、山と生き物たちと植物たちと、おばあさんは焼畑を通じて、対等な立ち位置で関わっているように思える。その上で、山や、生き物や、植物たちへの畏敬の念を忘れない。ことさら、強く強調するでもなく、自分はこうやって生きてきて、これからもこうやって生きていくと、穏やかに語るその言葉。安易に憧れを口にすることは憚られる厳しい生き方だと思う。簡単には真似出来ない。けれど、ここに見る生活の『豊かさ』が確かにあるように思う。
とても良いドキュメンタリーなのだけど、数カット、おばあさんを込みで撮ったクレーンショットは個人的には不要のように思えた。そういったカットで作り込んだものを入れなくとも、非常に魅力的な姿は他でちゃんとあると思えたから。


夜。いつもは、寝ている傍に寄ってくる猫のみぞれが、なぜだか寒い玄関前でじっとしている。