東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『この世で俺/僕だけ オンエア』

『この世で俺/僕だけ』がBS JAPANで放送されました。僕は仕事があり、リアルタイムでは観れなかったので、もう、なんというか仕事しつつも、携帯のツイッターなどを常に見ている状態で、なんともソワソワとしておりました。


ツイッターや、友人やお仕事関連の方たちからのメールをいただけ、それを読ませていただくと、何かしら響くものがあったようで、本当にうれしく思います。もちろん、そういうところであがってこない言葉や考え方もあるはずで、それらの意見まではさすがに汲み取れず、いずれにしても、自分で自分なりの考えを持って、改めて見直さねばならないとは思うのですが。


先日の試写で観させてもらった時は、もう浮かれた気持ちばかりでそれどころではなく、今日もまだやはり客観視はできませんでした。ただただ、出演者の方々、携わった方々、スタッフの方々に感謝の言葉しか出ません。なにせ、演技もスタッフワークも本当にすばらしく思えるからで。これはもう、絶対そう言えます。自分の脚本の至らなさは、今後反省していくとしても、その世界を生きていただいたキャスト、その世界を構築していただいたスタッフの方の仕事のかっこよさは絶対的に肯定できます、出来る自信があります、断固肯定します、僕は。


格闘シーンのかっこいいカメラワーク、川辺のライティング、池松さんがタバコを吸うところの葉っぱの焼ける音、ヤクザの車をかっぱらおうとする瞬間のミネラルウォーター越しに車が通り過ぎる時のその音、商店街や不良たちのバイクや車の装飾、本当に細かいところまでかっこいい仕事が行き届いていました。


一番嬉しい感想は、この作品を劇場で観たいと言ってくれることです。きっとキャストの方々、スタッフの方々、全員そのつもりで臨んでくれているのだと僕は思っています。だからこそ、この作品がこういう形で仕上がったのだと。


別に卑下してとかそういうわけではなく、脚本はたたき台でしかないという気もします。現場で映像が生まれるその瞬間が全てのような気がします。最初は、僕が書き始めたところから始まったかもしれないですが、今は、ただただ、この作品に少しでも関われたことに感謝しかありません。


改めて、本当に有り難うございます。


そして、あとは、自分のこと。脚本上の至らぬ点は多いにある。そこはついぞ解決できぬままでいた。考えていかねばならない。


それにしても、『この世で俺/僕だけ』はどのように観られているのだろう。友人たちの意見を是非に聞きたい。大学の頃の仲間たちはどう観たのか。演劇学校に行っていた頃の仲間たちはどう観たのか。東京に来てから、一緒に作品を作って来た仲間たちはどう観たのか。僕の作品自体、様々で、その都度、変わって来ていると思う。


『田中の場合』
『ライフ・ライク・ムービー』
『すばらしき哉、人生』
『月を見に行く』
『夜を盗む』
『東京の果て』
『朝からの家』
『砂の終わりの楽園』
きっかけはYOU!


どれもその都度、自分の中から吐き出せる全力をだしてきているつもりだ。表現が変わっているとしても、それが出来る全てだと思って書いた。一緒に作ってくれた仲間たちの力もある。

『この世で俺/僕だけ』はこのタイミングでしか書けなかった。そもそもきっかけはだされた『お題』から思いついたし。それと、娘がいなければ書けなかったとも思う。だから、きっと、次は、また違うものが出来ればいいと思う。違うものが生まれる。そうやって進んでいくしかない。


まだ、気分は高揚している。でも、そろそろ次へ向かわねばならない。次がどこへいくのかもよくわからないけど。ひとまず、次へ。