東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『蕨へ行く』

選挙の結果を残念に思いつつ、月曜日はどうもうまくいかないことばかりが続き、なんとなく重い気分で過ごした。さっそく報道でも、拉致問題や外交の観点から弱腰の対応になることが、現憲法に原因があり、変えるべきだという提案をする新聞記事を読み、それはやはり違うと思うのです。拳をあげてくる相手に対して、拳を振り上げる準備をするのは違う。映画「ダークナイト」のクライマックス、互いに爆弾が仕掛けられた客船に乗る人たちが、スイッチを押さなかったあの振る舞い。拳を振り上げる相手にも、挙げない態度を貫く。それが正しさのはず。そのために現行憲法の9条は変えるべきではない。


24日(水)。仕事を休む。この夏は、ひまわり畑というものを見にいきたいと思っているのだけど、この日は天気が悪いという予報もあり遠出は避けた。で、以前に埼玉の蕨の周辺に住んでいたことがあり、そこで暮らしていた時に作っていた信用金庫の口座で、まったく使っていなかったものを解約しにいくことにした。電車で川口へ。池袋からだと埼京線京浜東北線と乗り継ぐけどそれほど遠くない。天気が悪いので、ベビーカーは持っていかず。なぜか、娘子が抱っこをせがんでくるので、ほぼ抱っこしての移動。重い。


川口からはバス。バス出発までに20分ほど時間があり、食事でもしようかと思ったが、ちょっと歩くにも娘が抱っこをせがんできて、そんなに甘えるんじゃないよと言うと、ぐずりだしなかなか歩けず、しまいには泣き出す始末。そうやってグズグズしていたらバスが来てしまったので乗る。


バスに揺られる。久しぶりの風景。以前住んでいた場所は、蕨駅からだと自転車で15分ほど。歩いて駅に行くのは到底不可能なところだった。僕は自転車が好きなので駅まで夏も冬も自転車で行っていた。嫁は自転車があまり好きではなかったのでバスを利用していた。バスだと蕨駅よりも川口駅発のものを利用する方が便利だった。これは謎なのだけど、北海道を拠点にしているセイコーマートというコンビニがあるのだけど、それがなぜか埼玉の川口周辺にのみ数店舗ある。大学が北海道だった僕や嫁にはセイコーマートは非常に親しみがあるのでたまに利用していた。今も健在で、セイコーマートを見ると、懐かしい。


かつて住んでいた近くでバスを降りた。懐かしい。駅から離れているが住宅街。とはいえ、ゴミゴミしておらずとても住みやすかった。交通の便は悪かったけど。住んだきっかけは嫁がかつて働いていた職場が近かったことで、元々は嫁が一人暮らしを始めて、僕がそこに一緒に暮らすようになった次第。自分たちで積極的に探して見つけた町ではなかったけど、蓋を開けたら居心地が良かったというような。今でも僕の実家に車で帰るときには、通り道なのでたまに寄り道したりもする。後藤明生さんの小説「挟み撃ち」に蕨が出てきた時は驚いた。まぁ、あの蕨は駅でいうと西口の中山道側が舞台で、僕は東口の川口市寄りに住んでいたのだけど、蕨の地理をなんとなく把握していただけにあの小説を、さらに深く楽しめたりもした。


信用金庫では、手続きが面倒だった。持ってきた印鑑が申請していた印鑑ではなかったというミスと、通帳は持ってきたもののカードを忘れたというミスの、2つが重なり、それがややこしくしたのだけど。そして住所も当然変わっていることもあり。解約したいだけなのだけど、住所変更、カード紛失の手続きをしたうえで、解約の手続きをせねばならず何枚も書類を書かされる。それでやっと解約。現金が思っていたよりも入っていたようで戻ってきた。


それから、遅めの昼食。かつてそこに住んでいたとき、よく行ったショッピングセンターへ。ここでも娘が抱っこをせがみ、それを拒む僕らとの格闘が道々でしばらく続いた。娘、号泣。しかし甘えすぎもよくない。ショッピングセンターは人が多くて意外だったが、よく考えたら夏休みなのだ。フードコートにて無難な食事。娘はあれほど泣いていたが、泣いたから腹減ったのかもしれないけど、ラーメンを腹一杯食べていた。ショッピングセンターは子供向けの遊び場が充実している。いわゆるゲームセンターも、最近は子供心を刺激するものが多いし。娘も夢中で遊ぶ。それで結局夕方くらいまで蕨にいた。帰りのバスで、娘とともに眠ってしまった。バスに揺られるとどうも睡魔が。


天気は悪かったけど、愉しい一日。夜は少しばかり仕事をして、この時間。