東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『暴力的なラーメン』

日中はやけに暑かった。その暑いさ中、仕事の用事で代々木上原のあたりを歩いていた。代々木上原駅から井の頭通りを越えて歩くと、やがて駒場の東大付近に出るのが感覚的にピンとこなかった。歩いて行ける距離だとは思わなかった。なんという通りなのかわからないけど、少し賑やかな通りで若い男子が行列を作っているラーメン屋があったのでなんとなく並んでみた。意外とすんなり入れたのはもう2時半を過ぎていたからだと思う。よく考えたらその時間でも混んでいるのだから凄いことだ。


カウンターだけの狭い店内。壁は油でテカっている。そして学生風の男子から、近所で働いているっぽい男性、店員さんも当然のように全員男性という、まごうことなき男性100%の空間。ラーメン屋もいろいろあるとは思うけど、学生街によくある、腹一杯食わせてくれる男子向けのラーメン屋だ。それでいて味も評判のようで行列ができるんだろう。トッピングの野菜やニンニク、油などのトッピングを選べるようだったのだけど、初めて来るとそのシステムがよく判らない。僕より前に注文している人たちは慣れた口調で注文していく。例えば「野菜増し増し」といった具合に。そういった常連さん特典のようなものに、ただでさえ慣れないところに一人で行くと伏し目がちになってしまう自分なので、ともかくひたすら僕より前に注文している人たちの意見を真似て頼む。ラーメンは麺の量が多かった。大盛りを頼んでいる人もいたけれど、すでに35歳を越えた身には普通の量で充分。それでさえ、『暴力』という字面が浮かんでくるような量だった。味付けは濃かったものの、太麺でしっかりした味で美味しかった。店を出て仕事。一冊の脚本を読む。いろいろ思うところありつつ、感想は略。


それでまた代々木上原まで歩く。元来た道とは別の場所を歩いたのだけど、やけに高級な家が並んでいた通りだった。別世界とでもいうか。夕方前、空の雲が少し、ほんの少しだけどなんとなく秋を感じさせる印象だった。まぁ、まだまだ暑いのだけど。なんというか、少し。