東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『行く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし』

tokyomoon2014-11-19

娘が幼稚園で絵本を借りてくる。夜に寝る時にそれを読むのが習慣となっている。昨日、永岡出版というところから出ている世界の名作童話シリーズの『ジャックと豆の木』を借りてきたのでそれを読んだのだけど、こんな話だったっけと思う。


ジャックは悪いやつだ。お金が無いから牛を売ろうと苦渋の決断をする母の想いに対して、道端の怪しい爺さんの言葉に誘われて、豆一つと交換するという暴挙にでる。そら、母、怒って豆投げるわ。金無いし、牛が豆になったら。で、その豆がでかい木になり天空へ伸び、それをよじ登ると、微妙にでかいおばさんがいて、ジャックはいきなりそのおばさんに「腹減ったから何か食わせろ」とせがむ。その態度はなんだ。で、そのおばさんの旦那の人食い鬼が金貨の入った袋を持って帰る。おばさんは旦那は人を見ると食ってしまうからとジャックを隠してくれる優しさを持つ。が、ジャックはそんなおばさんの好意を無視して、金貨を盗み、地上へ降りる。事のあらましを母親に話すと、あまり危ない事をするなと忠告する母親の言葉を無視して、金を使い果たし、金が無くなるとその度に天空へ上り、金の卵を産むニワトリ、言う事を聞く竪琴などをことごとく盗む。鬼の嫁であるおばさんはその都度、ジャックの身を鬼から隠したりするのに、ジャックはその好意をことごとく裏切り、最終的には怒った鬼(そりゃ怒るだろ)が、木から降りてくるところを、斧で木を切り倒し地上へ叩き落として殺す。さすがに反省したらしくそれからはコツコツと働くらしいが、畑仕事をする側には、かっぱらった竪琴がありそれから流れる音楽を楽しんだりしている。やがて不思議な竪琴の存在を知った王女が、ジャックの前に現れて、2人は急接近の上、結婚。幸せに暮らしたい、という話。あそこまでジャックの身を案じた天空のおばさんは、人を食うとはいえ旦那である鬼を殺されるは、いろいろ盗まれるは、飯は作らされるは踏んだり蹴ったりだ。それにしてもジャックはなんてやつだ。あと、このような描き方で、名作童話っていって出版する書店はどうなのか。さすがに娘に「これは、ジャックが悪いからね」と言い添えて寝かした。


それはさておき。


昨日は不意の訃報に驚いた。というのも、昨日の朝食の際に娘から「六月になったら五歳になれるかなぁ」と尋ねられていたからで、娘にとって歳を重ねることはよろこびとしてあることをそこで意識していたから。大きくなったら〜、と語る娘は本当に楽しそう。

僕も、まぁ、いまさら大きくなったら〜などとは言わないけれど、歳を重ねることは良いなぁと思う。若返る必要はないし、このまま良い具合に老いていければ良いと思う。ただ、35歳にもなるとさすがにそろそろ折り返しだなぁという実感はあり、死ぬことに怖さも感じたりする。


行く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし


高倉健さんが座右の銘にされていた言葉だとネットニュースで言っていた。こういう言葉を遺していけるようになっていたいと思う。しみじみと思う。一方でなんともわからない理由でさらりと衆議院が解散していたりする国。これで投票率が低く、また、微妙な得票数で自民党が勝ち、それで我が意を得たりとやりたい放題するようなら本当に気分が滅入る。