東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『暖かった日曜のこと』

朝、すでに嫁と娘は起きていたけれどもう少し眠りたい気持ちが。とはいえ9時頃には起きて朝ごはんを食べてから掃除をいろいろ。それから家の前の落ち葉を箒で掃く。家の庭に植わっている木から葉っぱが落ちる。そういう季節。それから布団も干す。まだ曇っていたけれど天気予報だと晴れると言っていたのでそれを信じつつ。

 

それから母のリハビリ先へ。事前に持っていた方が良いものがあるかを電話で確認し、14時頃に行きます、と伝えてはいた。バスの都合で到着したのが、14時45分ごろになったのだけど、面会に行こうとすると、ちょうど看護師の方に連れられて母が降りてきた。リハビリがあるという。また40分後くらいに出直してくてくれと言われた。まぁ、僕も14時頃に行くと言ったから多少ずれているし何も言えないけれど、そうなのか。リハビリの時間とかぶるなら言って欲しいなとは思うが。

 

それで、時間が少し空いたので、病院近くの少し見晴らしのいい高台へ向かった。眼下は田んぼが広がって、向こうの方には何の山なのだろう、結構な山並みの稜線が見える。空には雲がかかっているけど、少しずつ移動していて、太陽の光線が山に当たっていた。

 

田んぼの畔を50代くらいの夫婦が散歩をしている。旦那さんの方は金属バットを持って、奥さんの方は杖のようなものを持っている。ゆっくりと歩き、たまに奥さんが手を上げているが、あれはボールを投げるジェスチャーかもしれない。毎回ではないけれど、それに応じて旦那さんは金属バットをフルスイングする。歩く速度はゆっくりだ。こっち側に近づいてきて気が付いたけど、2人の後ろを猫が一匹ついてきている。首には蛍光色のピンクの首輪をしているので2人の飼い猫だと思う。この猫の歩みに合わせたスピードなのだろう。それにしても猫も素直についてくるものだなと思う。2人は時々、猫を気にして、猫も2人をみてとことことついてくる。奥さんが決して投球フォームには見えないが、手を上にあげてダンスしているようなしぐさをする。旦那さんがフルスイングでバットを振る。

 

50分くらいぼんやりして病院へ戻ると、なぜか嫁から電話がきた。母が僕に着信を残したらしいが、僕が出なかったので嫁にかけたらしい。「もうリハビリが終わったので来て大丈夫」という知らせらしい。「あんたは電話にでないね」と母に言われる。先週から、母に携帯を渡していたので、連絡も個別に取れるようになった。

 

先日、四十九日に集まったこと、叔母や嫁が撮った写真を見せると、母は久しぶりに見た孫たちの姿を嬉しそうにしつつ、「それはお父さんも喜んだねぇ」と涙ぐんだ。その後も話の途中で「お父さんがね喜ぶね」と思いだしたように話しては涙ぐむ。やけに母が涙もろくなっていた。というか、やはり父を喪ったことは母にとって相当大きなものだったんだと思う。

 

「写真、1枚でいいからあとでメールを送っておいて。でもお父さんが映ってないやつで。お父さんが映ってるとね、辛くなるから」

 

面会は10分で終わり。母が病室へ戻るのを見送る。病室へ向かう後ろ姿。自分で車いすを動かしてゆっくりと戻る。短い距離だけど、母は3回ほどこちらを振り返り、そのたびに手を振った。

 

病院を出ると、陽が傾いて大きな夕日がでていた。雲がはれていた。びっくりするような大きさの夕日で眩しすぎて直視できない。この周辺に住んでいる人には当たり前の風景なのだろう。

 

少し待ってからバスに乗って戻る。なんやかんや午後半日かかる。大宮から東京方面へ向かう電車に乗ったら、間違えて上野方面へ行く電車に乗ってしまい、上野から山手線で池袋へ。

 

家に戻ってから家族と夕食を食べにでかける。ここ最近、娘はルービックキューブに夢中で、御飯が出るのを待っている間もずっとルービックキューブをやっている。一面をそろえるのはある程度、適当でいいが、二面以上はきちんと法則があるのだと思う。学校で娘はそれを習ったらしく、「これをこうして、角をそろえて、ああだこうだ」と説明をしてくれるが一向に理解できない。

 

ご飯を食べてから、少しだけ仕事にでかけると、雨が降っていた。暖かい一日だったけど、雨が降ると風が少し冷たい。