東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『雨の蕎麦屋/浦島太郎』

tokyomoon2015-02-27

一昨日、仕事の用事で桜新町駅に行った。車で通り過ぎることはこれまでもあったけど、駅前を歩くというのは初めてだと思う。やけにサザエさんに関するものが多いのは分かるものの、歩いているとしばしば水前寺清子さん関連のポスターなども見る。何か桜新町水前寺清子さんの間に縁があるのか。


一昨日は晴れて日中は散歩日和だったけど、夜になると少し雲が厚くなる。それで、昨日は雨だった。昨日は昨日で東新宿駅という普段は降りない駅で降りたのだけど、朝のラッシュの時間は大変な混雑だった。東新宿駅は、副都心線大江戸線の乗り換えができる駅ということもあるし、元々ここに会社がある方もいるのだろうけれど、それにしてもたくさんの人がいる。


午後から仕事の休みをもらっていたので、帰宅。昼の時間だったので嫁さんと雑司が谷駅で待ち合わせをして、鬼子母神近くの美味しいお蕎麦屋さんへ行く。僕はそば粉全粒粉を使用した歯応えのある蕎麦を頼み、嫁さんは桜を混ぜ込んだ蕎麦を頼む。どちらも美味しい。お店の方が「同じ蕎麦なのに不思議ですよね」と言っていたけど、本当にその通りで、食感も風味もそれぞれ異なり味わえる。サラッとした蕎麦湯も飲みやすく、雨で冷えた身体がホッとする。


食べ終わる頃に、3人の女性が入ってきた。お店の方とは顔馴染みのようで、
「あら」と店員さんが言うと
「ええ、来ました」と女性の1人が応えた。
「産まれたんですね」
「はい、10月に。今日は雨だったけど、前からこの日に行こうって決めてたら来ちゃいました」という会話をしていた。
その女性がおんぶしていた赤ちゃんは眠っていた。雨のせいもあるのだろうけれど、店内は人も多くなく、なんだかゆっくりと時間が流れていて、こういうやり取りが心地よかった。


その後、帰宅。嫁さんはすぐに娘を幼稚園へ迎えに行き、僕は掃除機をかけたり洗濯物をたたんだりする。娘が帰ると、幼稚園から持ってきた絵本『青い鳥』を読んであげてから昼寝。僕も一緒にうつらうつら。夜はすき焼きを家族で食べて、娘と風呂へ入る。風呂の中で何か話をして、と言われたので『浦島太郎』を話す。話していてふと思ったけど、『桃太郎』や『金太郎』に比べて、『浦島太郎』の話の抱えるやるせなさはなんなのだろう。亀を助けた善意の若者が、誘われるままに竜宮城へ行く。何か悪いことをしたわけでもないのに、宴を愉しんで地上へ戻ると時がやけに経っていて、帳尻合わせにもならない玉手箱によって、老人になるけれどそれだからといって彼の意図とは別で過ぎていった時間は戻らず、誰も知らないその場所で1人いきなり老いて佇む。教訓のようなものがあるでもなし、なぜ、この話が出来上がり、これほどの長きにわたり語り継がれているのだろうか。なんだか、急に気になった。


夜、娘と22時くらいまで起きていたせいか二人揃って寝坊。嫁さんから怒られながら朝の準備。雨上がりの朝。