東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『呼吸する映画館』

tokyomoon2015-03-09

雨や曇りの週末。寒いことは寒いけど少しずつ暖かくなってきている実感は、夜に暖房をつけなくても過ごせる日が増えているところにある。


気分転換ではないけれど、眼鏡を一つ新調。これまで黒縁のメガネだったのだけど、縁がないものにしてみた。まだ新しいとフレームもしっかりしていて、なんとなくピシッとなるけれど、さっそく眼鏡が変わったことに気付いた娘からは「似合わない」と身も蓋もないことを言われた。


7日(土)。朝から新宿のバルト9へ出かける。家族で『ドラえもん』の映画を観に行く。縁あって前売チケットを手に入れており、せっかくだからと出かけた。映画初日。というか、毎週土曜はなんかしらの映画が封切られていて、大賑わいなのだろう。やけに混んでいた。特にアニメは子供連れが多いので、ただでさえ人が多い。一方で同日に初日を向かえたらしい、何かもアイドルっぽい感じのアニメの初回を観に来ている層は、子連れに混じって半数、いやそれ以上がどこかアレな雰囲気の大人たちで、なんというか、そうなのか、そういうものなのかとその人たちを見ながら思ったりする。


ドラえもん』はその映画の王道をいくようなお話で、子供たちは場面ごとに笑ったり前のめりになったり何か声を発したり、いろいろとリアクションをしていた。いいなぁと思う。映画館で観るからには、そういう観客の人たちから立ち上がる空気感も含めて、アジというやつがある気がする。ちょっと前に、片桐はいりさんがテレビで言っていた、『映画館が呼吸している』ということ。寅さんが劇場でかかると観客の笑い声で劇場の扉が開閉したという話。とてもいいなぁと思う。子供達のある意味での自由なリアクションは劇場を楽しくする。


その夜。ピザでも取ろうという話になった。配達してもらうと正規の値段を取られるけど、自分たちで取りに行けば半額になるらしく、取りに行くことにした。自転車でわずか五分ほど。風を切っても肌寒さはない。そういうところでも春が近いことを感じる。頼んでいた時間より早く到着しすぎたので、ピザ屋の近所の古本屋へ立ち寄る。ここは文庫の掘り出し物がある。古本屋を散策するのは楽しい。


マイケル・ウィンターボトム監督『いとしきエブリデイ』を観る。大好きな『ひかりのまち』のキャストが出ていたりする話。出演する子役が映画内でちゃんと成長していて、四年や五年かけて少しずつ撮影をしたと思われる。その時間経過は、こうやって俯瞰したようにして観るとそれはそれでなんというか不思議な気持ちになる。マイケル・ナイマンの音楽がすごく良いなぁと思う。