東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『頭髪の映画/仙台方面」

tokyomoon2015-04-22

一昨日の朝、日記を書いていたメモ帳データを消してしまっていた。メモ書きのような日記の文章を再び書くことの不毛さを思いつつメモ書きとして。


週末は仕事で仙台へ行っていた。土曜の日中はこちらで仕事をしてから夜に出発。19時半くらいの新幹線に乗っても21時半くらいには着くのでその便利さに戸惑う。距離感がわからないよ。それでも僕が乗ったのは『やまびこ』だからまだ時間がかかっており、『はやぶさ』だと大宮駅の次が仙台駅だから東京から二駅しかない。そんなに急ぐのもどうかと思う。旅くらい時間をかけたい、仕事だけど。


山形へ行く時、山形新幹線『つばさ』と東北新幹線『やまびこ』が連結して行くことがある。今回もそうだった。福島で切り離して、そこから各方面へわかれるのだけど、普段は山形方面へ行くので、仙台へ向かうのはちょっと違和感を感じる。福島から山形へ行くには山を一つ越える必要があり、何やら大事なのだけど、福島から仙台はあっという間の感じ。


仙台方面へ向かう車内は空いていた。文庫本を持っていった。阿部和重さんの『ミステリアスセッティング』、内田百輭さんの『百鬼園随筆』、それといとうせいこうさんの『想像ラジオ』。絶対にそんなに読まないことはわかっていたのに、なぜか旅にでると多めに本を持ってきてしまう。取り出して読んだのは阿部和重さんの『ミステリアスセッティング』。旅向きかどうかわからないけど、グイグイと引き込まれる。大宮で後方の席に乗ってきた男女が声のでかい人たちで、ボリュームもそうだけど、なんというか目につくうるささ。気になった。駅員が彼らに何かを言うと男が「移動します」と応えた。どうやら自由席券しか購入してなかったのに指定席に座っていたようだ。うるさい感じが態度にも出ていた。しかし彼らは駅員が他の車両へ移るとまた何事もなかったかのように話し始めた。福島あたりで気がつくといなくなっていた。


仙台は東京よりは涼しかったけど、もう冬の寒さではなかった。会社の人と食事をして店を出ると、さすがに人通りは少ない。


日曜は1日がかりの仕事。夕方に小一時間ほど仙台駅周辺を歩ける時間があった。駅近くのアーケード型の商店街の中をフラフラ。碁盤の目の形の街並みはわかりやすい。青葉通りや広小路通りなど、そこを軸にすれば道には迷わない。なんとなく小さい路地に目を向けると面白そうな店がある。東京でもやっているチェーン店も多いけど、その街の空気があるように思う。


夜19時過ぎに帰路へ。帰りに寄った仙台駅前のコンビニ店員さんの言葉に宮城訛りのイントネーションがあり、そういうこと一つでも、ここが自分が普段暮らしているところではないのだなぁと実感する。


新幹線移動が結局、夜ばかりだったので車窓の風景が見れなかった。それが少し残念。


結局、阿部和重さんの『ミステリアスセッティング』一冊を読み切ったのみで終了。新幹線の往復の時間で一気に読み切れた。ページをどんどんめぐらせてくれる。面白かった。


昨日の夜、仕事で久しぶりに車を運転した。都内を横断するように走る。国道246号線、青山あたりの明るい感じはなんなんだろうなぁと。走り過ぎるだけの世界でまったく接点が無い。仕事とはいえ車の運転は愉しい。


ドン・ホール『ベイマックス
ディビッド・O・ラッセル『アメリカンハッスル』


ベイマックス』は後から原作があるヒーローものだと知った。日本の宣伝ではまったくそんな風に感じなかったけど、それも戦略なんだろうか。トータルで1時間40分ほどの尺にまとめてあり、その構成というか、スピード感は本当に勉強になる。端折っていいところは端折っていいのだなぁと。製作総指揮にジョン・ラセターがはいっていた。『Mr.インクレディブル』では子供アニメ的な感じの中にヒーローは生死が伴うということをきちんと描いていて、そういったところの片鱗は『ベイマックス』にもあったように思えたけれど。


アメリカンハッスル』。ナレーションが入る点で、現在から過去を振り返る描き方をしているのだけど、そういう作品ってほんとうまく作るなぁと思う。それとワンポイントの出演だったロバート・デ・ニーロの演技が凄まじすぎて、あまりに怖くて、1人でテレビから離れた。何もしてないのに殺されるような佇まいがあった。


それとどうでもいいけど『アメリカンハッスル』は髪型の映画でもあると思う。終始、髪型にアジのある人達ばかりが出てくる。謎のパンチパーマ推しが出てくるし、さりげに市長の頭もおかしい。主人公演じるクリスチャンベイルが冒頭でハゲを隠す描写の丹念な描き方も、これが髪型の映画だからだとわかれば納得のこだわりだ。


そして、仕事の諸々で行きたかったお芝居を観に行けず。世知辛い。