東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『球場の空気/味園ユニバース』

tokyomoon2016-04-28

少し前に仕事の一つで神宮球場に行くことがあり、久しぶりに野球を球場で見た。テレビには映らないイベントがあったりするし、なんというか活気のようなもの、応援もあるけれど、それだけではない盛り上がりのようなものがあり、それを体感することも球場の楽しさのような気がする。

偶然だけど、宮沢章夫さんがラジオで「野球は試合をやりつつ、攻守交代のところに不思議な間の時間があるスポーツだ」というようなことをおっしゃっていたことを聞いた後で、確かに攻守交代の際にトイレに行く人たちがいれば売店で食べ物や飲み物を買う人もいた。いや、もっと言えば、試合が進行している間も売店付近には人がたくさんいたし、喫煙スペースではテレビを見ながら煙草を吸う人たちもいた。すぐ目の前で選手達はプレイをしているのにテレビで見ている、不思議な距離感。

そして先日見つけた岩井俊二監督のアニメ映画でも球場でビールの売り子をしているアルバイトを描いたエピソードがあった。舞台や映画を観ることとは異なる、盛り上がりと緩さがおり混ざったような空間。

バットにボールが当たるとカンという高い音が響く。そしてその度に歓声があがる。かつて父と野球を見に行ったときの記憶ではバットに当たる音はやけに大きく響いていたと思ったが、先日見た時にはそこまでの音がしなかった。前は東京ドームで屋内型と球場だから音が響いたのだろうか。なんにしても久しぶりの野球観戦は素直に面白かった。仕事だけど。


山下敦弘監督『味園ユニバース
東京じゃない、大阪の空気。これはなんなのだろうといつも思う。方言ではなく。町の風景なのだろうか。何か違うものを感じて、それが確実に作品の強度になっているように思う。本人役で出演されている赤犬の曲調や物語の鍵となる曲「古い日記」が、そこにまた良い按配であるし、音楽も良かった。音楽担当はあらかじめ決められた恋人たちへの池永さん。


今日は雨だった。深呼吸すると湿った空気が入ってくる。息を吐くと白くなった。