東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『キダリダ→』

tokyomoon2016-06-03

6月に入って、梅雨になる前に気持ちの良い日が続く。日差しがあるけどカラッとしていて気持ちいい。暑がりなので半袖で出かけるけど、夜になると肌寒いくらい。


背中の痛みが気になっていろいろ調べたり会社の人に話したりすると悪い症状しか見当たらず、これは膵臓癌かもしれぬと、いや膵臓癌だなと思っていると、職場の人から『ブラックジャックによろしく』の膵臓癌患者の方の話を読めと言われる。確か少し読んだことがあったけど恐ろしくて読めない。それで先日、整形外科に診てもらいに行った。そういう癖の方なのか、朝一番の診察だからか先生はなんだか眠そうに目を擦りながら、背中や腕、首をまわし、「ふむ」とかいいながら、じゃあ、レントゲンを撮りましょうか、と言い、そのレントゲンを診ると「なんともないですねぇ」と穏やかに言った。なんともないはずなのにこの痛みはなんなのだろうか。気になることはいろいろあるのだけど、そう言われてしまっては仕方がない。


昨日、仕事関係で舞台を2つ観劇。一つは若い人たちがたくさん出る芝居で、それはそれで、その年代でしかできない熱量があった。きっとそれで良いんだと思う。ただ、ある雰囲気のお芝居をやる若い役者の、自分の演技に対するどこか迷いのない感じが、あれは少し物足りない感じにも思う。どこか自分の芝居を客観視してそこに立っているくらいの人の方が僕には面白く思える。


もう一つは『キダリダ→』という作品。かつて日本に住んでいて強制帰国させられた在日コリアンの方がある目的で日本に戻ってきたことと、大阪の町の人たちの姿を描いた話。役者の方々が本当に素晴らしく、そこに大阪の、市井の暮らしが感じられる舞台で、自分では抗いようのない出自に翻弄される人たちの、行き場のない葛藤のような、そんな「葛藤」なんて言葉にしてしまう簡単さも否定するような黒々とした苛立ちのようなものに戸惑いつつ、「負けるか」とする人の生き様は、物語としては悲劇的に閉じるエピソードがありつつも、エピローグではこれから先に向かう意志が伺えた。本当に良かった。


猫の『どじょう』は元気になってあちこちと動き回っている。職場で猫を最初に見つけた人に、名前がどじようになった旨を伝えたところ、少し言葉につまっていた。『どじょう』はバナナが好きなようでモリモリと食べる。