東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『東京銭湯譚』

tokyomoon2017-03-23

仕事のいろいろで夜遅く車で移動しなければならず、翌朝も早朝からということがあり、仕事が終わったら銭湯に入りゆっくりしつつ朝を迎えようと決めた。


ネットで検索すると車で多少移動できる距離に『そしがや温泉21』という温泉があり、深夜2時までやっているようで、そこに行くことに。祖師ヶ谷大蔵駅からほど近い場所にあった昔ながらの銭湯で、深夜1時あたりだったけど若い人からお年寄りまで人はたくさんいた。通常料金は490円だったけど、サウナも入れて680円というチケットもあったのでそちらを購入。ありがたいことに貸しタオルも付いていた。駐車場もあり、そこに車を停めたものの精算の仕方がよくわからず、受付の年配の女性にたずねると「はじめて?」と聞かれ早口でいろいろと説明を受ける。それによると先に駐車場の精算機から駐車場番号の紙を出力して持ってきてくれたらサービス券を渡す、サウナ付きだから70分無料、それとロッカーは○番を使って、これはサウナに入るときに必要なキーで、このキーを持ってない人はサウナには入らないようにきちんと扉は閉めて、あとプールもこれで入れるから、云々。早口で言われたのでいまいちよくわからない。あ、あと、髭剃りもサービスで、と髭剃りも渡された。


地元の人なのか、若い男たちがワイワイしゃべりながら入っていて、賑やかだけど少しうるさかった。案の定、サウナの入り方がわからず苦戦をしていると水風呂に入っていた男性が「こうやるんだよ」と教えてくれた。サウナは程よい熱さで、ゆっくりと汗をかく。中にいた2人の男性は会社の同僚が先輩と後輩なのか片方が君付けで名前を呼び、2人にしかわからない何かの話をしていた。「○○君、僕そろそろ限界だ」と片方の男性が言うと「そうですね、サウナは6分から12分ですからね」ともう片方が言い、2人は揃ってサウナを出た。僕もしばらくしてからサウナを出て、電気風呂や泡風呂など他にもいくつかあるお風呂に入り出る。サービスの髭剃りはサービス品らしく刃が薄く剃れた手応えがないのに、剃り終えると頰がヒリヒリする。体重を測ると普段より、1、2キロ体重が重い。2分10円のドライヤーで髪を乾かす。2分である程度乾く。髪が伸びて少し鬱陶しい。骨が少し浮き出ているくらいの50代後半くらいに見える男性が風呂場から出てきて、閉店の準備をしていた老人の店員に「風呂場のやつらうるさいから注意してくれよ」と苦情を言っていた。付け加えるように「俺が言うとややこしくなるからさ」と言ったその男の手には、なんというのか今風の流線型のブーメランのようなデザインのタトゥーが入っていた。


風呂から出て、貸しタオルを返す。サービス券をもらい「10枚たまると一回無料だよ」と言われたが、果たして次にここに来る機会はあるのか。


その日は雨が一日中降って寒い一日だったけど、21時過ぎたくらいでようやく雨があがり、雲がはれて月が綺麗だった。火照った身体を冷やすには心地いい気温。サービス券を入れると無事車止めがさがった。祖師ヶ谷の商店街の細い道を抜けるのに苦労しつつ車を運転した。