東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『終着の札幌』

tokyomoon2018-11-13

週末は仕事で札幌に行っていた。金曜の夜に飛行機に。久しぶりの飛行機。搭乗口に着いた途端、乗り場変更の案内。ほぼ真逆の乗り場へ。なんの嫌がらせなのかと思いつつキャリーケースを引っ張る。


千歳に着くと思ったよりは寒くない。11月の北海道はどんなだったか思い出してみるが、少なくともスタッドレスタイヤにしていたくらいしか記憶にない。この季節は雪は降っていたような気もするけれど、今年はまったく降ってなかった。


エアポートライナーが事故によりかなり遅れており、一向に札幌に着かない。結局、その日、予定していた仕事は翌朝に変更して、ホテルへ。どういう理由か、シングルで予約していたのに同額でツインの部屋になっていた。広い。持て余す。まして、電車遅延でどこにも行けず、コンビニで購入したクラシックラガーと漬物を食べる身だと余計に持て余す。サンドウィッチマンのコントを観ながらぼんやりしつつ。



土日、諸々仕事をこなす。宿泊先が新札幌駅前のホテルで、職場のある札幌駅までJRで移動する。当たり前だけど、そうやって電車通勤、通学に利用している人はたくさんいて、駅のホームだけを見ていれば、東京のそれと変わらない。スマホを眺める人、本を読む人、車窓からの風景を眺める人。ふと気になったのは、「次は終着の札幌」とアナウンスされることで、終点ではなく、終着という言葉を使うことが面白かった。なんだか、北海道でそのフレーズを聞くと、果てに来てしまったような気がする。



夜は職場の人たちと少し飲む。目指していたお店が満席で入れなかったので、フラフラ歩いて見つけた居酒屋へ入ると、これが当たり。焼き鳥もおつまみも美味しい。ブリの刺身の脂の乗りにびっくり。すすきの近くだったので、それっぽい黒スーツのガタイのいいおじさんや、若い学生のような集まり、一人でカウンターで酒を飲む人、など、地元の人たちが集まっている。普段の生活の中で、夜にひとときの酒を飲む時間。仕事で息がつまること、悩むことはいろいろあるし、お酒を飲んでる時もメールや連絡がいろいろはいる。「たまにスマホを捨てたくなりますよね」と仕事を一緒にする社員が言いながら、普段はあまり吸わないという煙草に火をつけた。で、久しぶりに僕も少し煙草を吸う。古くからある居酒屋は当然のように煙草を吸える。焼き鳥の煙と煙草の煙が混ざり合う。テレビでは、ずいぶん遅い時間までメジャーリーグとの交流戦を放送している。僕もいつの間にか仕事に追われて落ち着かない気持ちになり、なかなかインプットも、そしてアウトプットも出来ずにいる。



終電間際、外に出るとさすがに肌寒い。北海道の冬は、呼吸するのも痛いくらい寒くなるからまだこれはとば口。街路樹は綺麗な黄色でまだ紅葉の季節なのだなぁ思う。冬はこれから。帰りはJRではなく、大通り駅から地下鉄に乗る。そういえば、札幌駅からすすきのまでは地下に道があり繋がっていることを始めて知った。寒くないし便利だな。信号も無いし。「ここを自転車で滑走したら気持ちいいですよね」と無茶なことを横で社員さんが言っていて、おかしかった。確かに楽しいだろうが、歩いている人はさぞ迷惑だろう。終電間際の電車。ここにも当たり前んのように電車に乗っている人がいて、自分が普段はここにいないことがなんだか秘密を抱えた男のようで面白い。地下鉄の終電にあたる新さっぽろ駅で降りる。人もたくさん降りていく。静かな住宅街。駅前は多少居酒屋がある。ここからさらにバスで帰る人もいるらしく、バス停の前には人が並んでいる。たくさん話したからなのか、煙草のせいか、体調を崩したのか、喉の調子が悪くなった。

そういえば、地下鉄のアナウンスが「終着の〜」だったか確認するのを忘れた。