東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『サブスクリプション』

出張していた時に、社員の人がサブスクリプション登録をしているiTunesで音楽をいろいろ流してくれた。それで、素直に驚く。聞きたい曲がなんでも聴ける。サクッと聴ける。「これのアーティストが聴きたい」とリクエストをすれば、あっという間に検索をかけ、すぐに音楽が出てくる。ピンポイントで楽曲を指定もできるし、アルバム単位でも聴ける。スピーカーに飛ばせばある程度の音質で聞くこともできる。

これまであまりサブスクリプションに関して興味関心がなかったのだけど、それで途端に興味がわいた。当然、以前からその存在は知っていたし、好きなバンド、サニーディサービスがアルバムをCDで発売せずに、配信限定にした際に、購入できず悶えたのだけど、いまいち配信に関する仕組みがわからず、あと、CDという手にできるものを得ないと音楽を聴いている感じがしない気がして避けていた。が、考えてみると、CDを購入してもパソコンに取り込みデータとして聴くし、では盤を持つ意味とはということは確かにある。といっても、僕は運転の時によく音楽をかけるのでレンタカーに乗るとCDを大量に持ってでかけるのだけど。

が、サブスクリプションの便利さは驚いた。数人、サブスクリプションで音楽を聴いている人にアドバイスを聞いたり、ネットの情報などを調べた結果、私はSpotifyのアプリをダウンロードしてみた。なにせ、無料。で、改めて驚く。アルバム聴き放題。もちろん、多少の制約(スキップの回数に制限がある。曲順に聴けないなど)はあるけれど、まったくストレスは無い。ストレスが無さ過ぎて怖いくらい。やはりテープ、CD、MDと音楽は購入、もしくはレンタルするもの、と小さいころから心根に植え付けられた慣習があるし、そうやって微力ながらお金を支払うことがアーティストへの還元という気持ちもあったわけだし。サブスクリプションはそのあたりの根底をひっくり返す。そもそもやはり仕組みがわからない。なぜ無料でこれが成立するのだろうか。新譜のアルバムを簡単に聞けてしまう。これが当たり前の世代にとってはどうってことないのかもしれないけれど、無料って。なんだかこれほど書いていると回し者のようだけど。

だけど、よくよく調べると、考え方なのかなぁとさえも思えてきた。僕自身、例えば、年に数枚アルバムを購入するとして、それはたかだか数万円程度。それも限られたアーティストに過ぎない。例えば、Spotifyのプレミアム会員は月額980円。年にすると1万円強。アルバム3枚ほどだけど。これって実は僕がこれまでCDは買うものと言ってきたときに購入していた金額と大差ない。つまり、僕自身が音楽業界に還元できている金額としては大差ない。もちろん、ピンポイントのアーティストやレーベルに還元されるわけではないけれど、ある意味で、Spotifyに登録しているアーティストに些少でも還元されると考えれば。これまで狭く細く、だったのが、広く浅く、に変わっただけだし。

何よりも多くのアーティストに触れる機会を得られた。とはいえ、今のところは、まだ自分の気になっているアーティストばかりだけど、後々いろいろと聴ければとなぁと思う。それにしても、だ。これまで苦労して集めたアルバムやら音源がいとも簡単に聴けるし、なんなら手に入らずに諦めたものや、レンタルして録音したものも聴ける。これは、変わってしまうなぁ。確かにこれがあれば、CDを買うという感覚はかなり変わってしまう。が、便利だよ、この便利は使わない手はない。