東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『ひとの、それぞれの、暮らし』

知り合いのまだ十代の若い人が悪性リンパ腫であると判明し、その連絡をもらった。元気で明るく、運動できる。住んでいる地域でも運動成績で上位に入るような運動神経の持ち主。病院に入院し、抗ガン治療を始めたのだという。嘔吐、髪が抜けてしまう、口内炎がひどくなる、など副作用が出始めて、辛い日々を過ごしながらもお見舞いにくる家族には明るく振る舞うのだという。彼の人となりを少しばかり知っているから、その振る舞う姿も想像ができると、どうしてそういう若い人がそんな大病にかかってしまうのだろうと思ってしまう。髪が抜けてしまった写メも送ってきてくれたが、それをみると僕でさえ辛くなるので、ご家族はなお一層、辛いだろうと思う。もちろん、当人が一番大変だ。懸命に治療に臨むことは本当に立派だなぁと思う。自分にできるだろうか。どこで、誰に、何が起きるかは、こればかりはなんともいえない。僕自身だって、この先、自分がどうなっているのかはわからない。僕の周り、家族だって歳を重ねている。いつか、決定的な別れがたくさんあるんだろう。そういう時に、僕はきちんと向き合えるだろうか。

同じような出来事が、なぜか周りでちらほらあり、僕の耳に入ってくる。聞くたびに、そうか、そうなのか、と言葉を飲み込むことしかできない。

 

26日。仕事で都内のとある場所へ。行ったことがない不思議な空間だった。都内の、中心地にほの暗いトンネルのようになっている箇所がある。車通りも比較的少ない。夜は結構怖いんじゃないかと思えるような空間。首都高や線路があるので音はうるさいのだけど、人通りは少ない。湿度も高い日だったので、じわりと汗ばむ。そんな中、人通りがないのにノイズが多い不思議な空間にいることがなんだか面白かった。

夜7時過ぎ。とあるビルの高い部屋へ移動。雲は多かったけど、ようやく日が暮れかかってきて、オレンジ色の光が雲にあたってまだらな橙色にしていく。都心のビル街。いわゆる繁華街のビル街と、夕暮れの空。綺麗というと違うのだろうけど、これも東京の風景。見下ろすと人がたくさん歩いている。そういう人を見ると不思議な気持ちになる。彼らには彼らの人生があり、それは説明なんてできない程、多くの出来事で溢れている。そういった人たちと縁もなく、おそらくこれからも接することもないまま、だけど、こうやってすれ違ったりする。東京は人が多い。多くの無関係の他者とすれ違うと、それだけで途方もない気持ちになる。

odolというアーティストを教えてもらい、そのアーティストの曲をSpotifyで聴く。教えてもらったらすぐに配信で聴けるというのが有難い。『虹の端-Rearrange』

open.spotify.com

という曲が個人的にとても好きで、繰り返し聴いている。そして、ブログにこうやってそのリンクをまた載せることができる時代なので、本当につくづく便利だと思うが、こうやってたやすく音楽が聴けてしまうことが良いのか心配にもなる。少なからず、音楽は購入して聴く、ということが染み付いている世代なので。

最近は夜、帰るのが遅くなっていて、息つく暇が無いような気持になる。