東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『ゲートボールとカメラ・ルシダ』

朝。普段は行かない都内近郊の場所へ仕事で行く。少し時間に余裕があったけど、喫茶店に入るほどではなかったので、近くの公園へ。快晴で気持ちがよく、近隣の幼稚園の子たちが遊具で遊んでいて、ご老人がゲートボールをしていた。公園の隣には小学校があり、校庭ではマラソンをしている子供達。公園の脇の道路にはタクシーの運転手の方が暇そうに停車して煙草を吸っている。長閑だなぁと思う。僕がもう少し歳を重ねるとゲートボールがやりたくなるのだろうか。父はおそらく、今の僕の年齢くらいの時には、『ゴルフの会員権が欲しい』を生涯の目標だといわんばかりの勢いで話をしていた。大人になればゴルフに興味がわいてくるのかと思ったが、まったく興味はわかなかった。では、ゲートボールは?なんともいえない。とりあえず、40歳の今は、ゲートボールにまったく興味もわかないし、ルールさえしらない。そんなことをぼんやりと思いつつ、ご老人の方々を眺めていた。

夕方から今度は六本木へ。まぁ、この町も滅多に来ない。街を歩いていても賑やかだなと思うけれども、縁はないと感じる。仕事を終えて、少し時間が空いたので、ミッドタウンにある富士フィルムフォトサロンへ。いくつかの展示を眺める。アルバート・ワトソンさんの写真の人物ポートレートはもちろん、故郷であるスコットランドの島々の写真は、なんだか色彩が鮮やかで写真ではなく絵画のように思えた。佐藤時啓さんの『呼吸する光たち』のシリーズの試みというか、長時間露出による撮影で光の軌跡のようなものが映る写真はやはり単純に面白い。いくつか写真をみていると、『カメラ・ルシダ』をタイトルにした写真を見つけた。その言葉の響きがなんだか気になり、さらっと携帯で調べるとラテン語で『明るい部屋』の意味の言葉らしく、描画補助器具ということらしい。写真は大きな木に、きらきら輝く光の明滅があるように見える写真で、どこが『カメラ・ルシダ』なのかわからなかった。外に出ると風が冷たい。ミッドタウンは人が多い。木々にクリスマス用のイルミネーションが飾ってあり、キラキラして綺麗だった。これが『カメラ・ルシダ』というわけではないけれど、パチッと写真を撮り、インスタグラムにそのタイトルでアップしてみる。

それから、電話をする用件もあり、なんとなく六本木から外苑東通りを青山方面へ歩く。途中、以前に仕事でお世話になったレコード会社があったビルが別のテナントが入っていることを知って驚いた。音楽業界はやはり厳しいのか。青山通りまででて、そこからさらに外苑東通りを進み、四谷四丁目あたりまで。電話をしていたので歩くこと自体は問題ない。それでなんとなく東新宿まで行ってみようかと思い、歩き続けたら、いっそこのまま歩けるのではないかと考え、家まで歩くことにした。そこまで寒さが厳しくなかったこともあったが、結果的に1時間40分ほどで帰宅。歩けるものだな。そんなこんなで健康的な一日。