東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『見知らぬ町をまた歩いたり』

1泊2日で福岡へ行っていた。飛行機に乗る時は、気持ち的には1時間前くらいにいたいのだけど、手荷物を預けなければ、空港についてそのまま手荷物検査場へ行き、あっという間に飛行機に乗れたりもするので、順調に行くと実は20分前くらいに着いてもなんとかなる。ただ、「何かあると」が怖くてつい早めに行ってしまうのだけど。

福岡へ、といっても、空港から仕事先まで移動して、そのまま仕事をして、というタイトなスケジュールで、ゆっくりと町を歩くことなどできるわけではない。もちろん、仕事なので仕方がないのだけど。と、そんな最中、ちょっとした事情で、西新近くに買い物に出なければならなくなり、地図を見つつ、地下鉄へ乗る。西日本に行くといつも思うのだけど、駅名で使われている漢字がなんというか物々しい。東京の地名に比べるとどこか重みを感じて、それが面白い。で、西新へ行き、地上へ出ると、なんだか良い具合の商店街がある。時間で言うと18時過ぎくらいだったので、なんというか、学校帰りの人たちや、買い物客、仕事帰りの人たちが多い。どこにでもあるチェーン店も多いけど、個人経営の総菜屋さんや、露天を広げている謎のおじさんなんかもいる。あと、うどん屋さんが多い印象。勝手なイメージでラーメン屋が多いかと思ったけれど、そればかりではないみたい。ちょっと寄り道をして、うどん屋に入り、素うどん300円を注文したところ、店員さんが早口で何かを言う。どうもトッピングをしなければダメな雰囲気で、だけど、よく聞き取れない。とりあえず、海老天を追加で頼む。その後に入ってきた年配の男性はうどんに、レンコンや春菊などの野菜のてんぷらを当たり前のように頼んでいた。薄いスープなのに、味はしっかりあって、天ぷらの油と相まって美味しい。「ごちそうさま」と言うと「またどうぞ」とさらっと言ってくれる。たまたまやってきた町の、うどん屋。その「またどうぞ」はいつになるのか。

調べると、電車で移動するのと、歩いて移動するのがそれほど変わらないことがわかったので、帰りは歩きで。コンビニや居酒屋の横を歩いて、バス停前を通り過ぎる。地元のスーパーでは買い物をしている人たちがいる。そこに暮らす人の当たり前の風景があって、そういう横を、見知らぬ僕が歩く。ああ、なんて面白いんだろうなぁと思う。川幅が広いのは海が近いからだろう。でも潮の匂いはしない。少し歩くと、開発された賑やかなベイエリアのキラキラとした灯りが見えてくる。

夜、仕事の流れでお酒を飲んでホテルへ戻る。帰りにコンビニに寄り、アイス最中を買う。「お酒飲んだあとに、アイス食べるんですね」と言う人がいたが、アイス食べるのである。そういう40歳なのだ。

というわけで、福岡の出張はあっという間に終了。