東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『端折った話』

金曜。普段より少しバタバタがあり早めに作業をするため会社へ向かう。それで事務的な作業をしつつ、やるべきことをする。午後、15時過ぎに打合せがあり職場を出る。陽射しが強く気持ち良かった。天気予報では気温が25℃を超えると言っていた。

打合せや諸々が結構早く終わりと思っていたけれど、甘い目測で諸々いろいろと時間は過ぎていき、気が付けば21時をまわっていた。少し仕事の待ち時間みたいなものがあったとき、なんとなく他愛もないそれぞれの過去の話などを話すことになった。畜産の大学を出て、いろいろ経て、今の仕事をしてます、というと、「だいぶ端折りすぎわからないですね」と言われた。まぁ、確かに自分でもよくわからずに今に至っている。

なかなか実家に帰れてなかったので、この日、実家に帰るつもりでいた。22時くらいに打合せ先から実家へ向かう。電車は空いていた。1時間程度の移動。こんな時に限って不思議と、大学時代の先輩から連絡が来る。なんでも夢で僕が出て元気しているかと。学生時代はかれこれ20年くらい前の話だ。あっという間のような気する。それぞれすでに父親を亡くしたりと、人生が折り返しにきているということをしみじみしつつ、「とはいえ、今が楽しいな」という言葉には、素直に頷けた。過去に戻りたいとは思わない。何にせよ、今が楽しい。

ようやく地元の駅に着き、母から頼まれていたパンと牛乳をコンビニで買う。駅から家までが歩いて15分以上歩く。それが少し面倒だなとは思う。家に着いたら23時半過ぎ。母はベッドに横たわっていたが、起きていた。暑くて寝れないという。歩いてきた僕は少し暑いと思ったけどそれでも汗ばむほどではない。母はやけに暑いという。眠いのだけど眠れないとやけに弱弱しい言い方をする。ここ数日、腰が痛く、動くのも辛い。痛いから運動もできず、外にも行けない、と口に出す言葉はすべて消極的で、なんだか年齢以上に老けて見える。母が眠りにつくまで話に付き合う。そうやって30分程度、母の話に耳を傾けていると、言葉数が少なくなり、「そろそろ寝るね」と言う。

目が疲れたのでコンタクトを外したかったけど、眼鏡を持ってくるのを忘れた。さすがに長時間コンタクトを付けていると目が辛い。が、仕方がない。寝室に行き、横になり、少しぼんやりしていたら、迂闊にもそのまま少し寝落ちしてしまい、ふと、目が覚めたら、目がやけにごわごわする。すっかり乾燥したコンタクトを剥がすように取る。それでようやく少しほっとする。見慣れた実家の中が、裸眼でぼやけた風景になる。改めて布団に横になる。電気を消せば、目を開いていても視力が弱いことなど関係がない。なぜか少し眠れない。気が付くと外が少し白んでいた。