東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『夜は静かに過ぎていく』

母親の心配性が少しずつ過剰になっているように感じてしまう。腰や足の痛み、心臓の鼓動が強い、体調が悪い、そこに夜に眠れないことが輪をかけ、日々、何か不安に感じることが強くなり、まったく関係ないのだけれども体調の悪さから「コロナかもしれない」とさえ気になり、実際に病院で検査を受けたりしている。その結果、陰性ではあったものの、まだ諸々の不安はぬぐえずに、仕事中の携帯に着信があったり、メールが届いたり、僕の返信が遅いと今度は、嫁の方に連絡が行く。

仕事の移動時間に電話をかけて話をしても、結果的に、どこにも着地しない。痛みは仕方がない。それについては本人次第だし、「痛い」と言われれば「無理せずで」としか言えないが、そこから先、どうしたいかは自分次第だ。無理しろとは言わないが、何を提案しても、「でも今は体調がすぐれないから」と言われてしまってはどうしようもない。退院してからすでに5か月が経つ。年齢からすればまだまだ十分元気にいろいろできる歳だ。もちろん父が突然いなくなった心労、孤独は想像を絶するだろうが、だが、それでもないものはない。前を向くしかないわけだし、そのためには、早く元気になってもらわなければならない。

「今日は家に帰ってこれないか」

と仕事先で突然言われても、ままならないことがある。それが息子にできることならば、もちろん行くべきだろうが、だが、そう簡単に行けるものでもない。悩ましい。

今日も今日とて仕事で、いろいろとオンラインで話をする。自分の語りはクドイと思う。それで毎回反省するものの、なかなかうまくいかない。かといって、プレゼン講座みたいなものには行きたいとは思わない。職場の机周りが整理できてなかったので、一気に整理をした。少しすっきり。清々しいが、なぜか僕の机にはいつも書類やいろいろなものが追加追加で置かれていく。

夜、仕事で少し遠出。で、打合せをしつつ、遅い時間に移動。こういうことを言うと失礼な話なのだけれども、田舎の夜は、人が少なく開いているお店も少ない。そうなるとどうしたって夜に人が外に出る機会は減り、なんとなく閑散とした感じになるし、夜はなんとなく早めに休もうかという気になる。東京ではそういうことはないだろうなぁと思ったのだけど、よもや、今、それに近い事態に直面するとは思わなかった。23時を過ぎると、もう、なんだか深夜のような静けさで人もいない。新宿とか繁華街でさえ、そんな感じだ。それで夜の活気が消えていく。もちろん、今は、一応、『緊急事態宣言』下であるのだから、活気がない方がいいのだろうが、結局、日中にこれでもかと大勢の人が出てうろうろしているなら、むしろそっちの方が密度が高くリスクもあるような気がするのだけど。

夜。そんなことを思いながら車を走らせる。見上げると、そこそこ大きい月。『Little parson』のようななんとなく感傷的になってしまいそうな音楽ばかり流してしまった。

少し湿度は高い気がするけれど、蒸し暑さもなく、深く深呼吸をすると、なんだか水分を含んな心地いい香りのする空気を吸い込める。夜は静かに過ぎていく。