東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『梅雨らしい日々』

月曜。事務作業。これから先の仕事のまとめなど。まだまだつめなければならぬことも多く、それを考えると忙しない。外は雨が降り出し、肌寒ささえある。

山下達郎さんのネット記事を読む。「配信は今後もしない」というちょっとしたトピックだけが誇張して取り沙汰されてしまってるけど、他の部分に見応えあり。

「私はね、極東の片隅のね、日本という国でね、ごく質素にやってきた者なんです。全然メインストリームじゃないんです。10代の時は音楽オタクで、誰も聴かないような音楽を聴いていたんです。全米トップ40も、トップ10にはあまり興味がなくて、目当てはいつも30位あたり。大ヒット曲には見向きもしませんでした。そういう音楽の聴き方で育った人間が作ってる音楽なんて、誰が聴くんだ?っていう疑問をいつも自分に投げかけて。なので、拡大志向はやめようと」

「僕の曲は基本的にワンパターンです。好きな響きが少ないので。だから、誇りを持ってワンパターンと言ってます。映画監督の小津安二郎の有名なせりふで、『俺は豆腐屋だから豆腐しか作らない』という、そんな感じ。落語とか浪花節とか文楽、そういうものは何十年も変わらないのでね。変わらない中で、どう今の時代の空気を吸っていくか」

どの言葉も刺激的。自分の立ち位置を冷静に客観視したうえで、自分ができる曲作りをされている。

配信について言及されている箇所は確かにある。その言葉は、配信のみならず、今の資本主義のありようを捉えているように思える

「だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」

山下さんは、そういった配信業の構造的な本質を捉えている。かといって、全否定するわけではなく、きちんとSpotifyのチャートをチェックされていることも語られている。ご自身の考え方を諸々ふまえたうえで、配信の存在を肯定しつつ、自身の音楽についてはこれまでのやり方で発表を続けているだけだ。

それにしてもこの言葉は、音楽のみならず多くのメディアにも通じている。刺激的だなぁと思っていたら、雑誌「BRUTUS」で山下達郎さん特集があるという。すぐに物欲が発動する。

帰宅してから筋トレ。雨が降らなそうだったので、少しジョギング。

火曜。朝、仕事の電話。眠気が一気に吹き飛ぶ。それから用件があり出先へ。飯田橋駅で下車して、駅前の早稲田通りを靖国神社方面へ。わりとあっという間に靖国神社へ到着。鳥居のあたりに広大さ。なぜだかやけに空が広く感じる。

皇居付近、江戸城跡を歩くと、通勤の方々もいる。通勤でお堀や城跡を通るってすごいなぁと思いつつ。

仕事諸々。山下達郎さんの記事を読んだからではないけれど、どうしたって何かしらの商業的なものは、資本やビジネスと絡まって発信されるけれども、そういったきっかけがあるから作品は生まれる。山下達郎さんの楽曲だってそれを発信するビジネス的なきっかけがなければ届かなかった。きっかけがなんであれ、山下さんのおっしゃる『勝利』をどこに見出すか。火曜にあった仕事も、それでいえば、ビジネスの中で生まれたわけだけど、それでも、その中で、何かしら声をあげて、少しでもいいものを作ろうとする方々がいて、そこに心揺さぶられるものがあるはず。そういった一端に少しでも触れる仕事に携われることは幸いだと思う。

なんやかんやどっと疲れて帰宅したものの、まだ21時台だったので驚く。少しだけ筋トレ。が、さすがに走りには行けず。一息ついたら、眠っていた。あまりの寒さに朝3時頃目覚める。

水曜。やや寝坊してしまう。慌てて仕事の準備。天気予報を見ると多少雨がパラつく、という感じはあるらしいが、そこまで降らなそうなので、傘は持たずに出かける。事務作業諸々。

それから外で打合せ。打合せの後、とある駅前を歩いていたら見覚えのある方とすれ違う。仕事関係。あとから思い出して、「ああ、あの人か」と思い出す。仕事関係の人が多い街では、たまにそういう風にご縁のある方ともすれ違う。

打合せを終えて、事務所に戻るほどでもなかったので駅前のカフェで仕事。やたらと声大きく電話で話している人がいるが、情報的に、それ、こんなカフェの中で大声で話していいものなのか、と思う。

帰宅して、筋トレ、からのジョギング。筋肉痛は落ち着いたものの、膝がやや痛い気がする。

雨が降りそうで降らなかったり、降ったと思ったらそこまでではなかったりという日々。