東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『エイスグレード』

18日(土)。目覚めてふらふらと起きだす。嫁はでかけており娘だけいた。入院中の母の面会に行こうかと思ったのだけど、土日は面会をやってないのと、面会するには、三日前までに申請をださねばならない、とのことで不可能だったため諦める。

娘が少し暇そうにしていたので、庭の草むしりと葉が伸びてきた木の枝を少し切ったりする。草木は少し放置しているとあっという間に伸びる。雨が降る前にいろいろと整えることが出来て良かった。

それから少しばかり掃除。予報では雨らしいので、洗濯はせず。ようやく一息ついて、少し横になり、ゴロゴロとする。窓を開けてると少しひんやりとするくらいの風。心地いい。

なんとなく、映画を観る。「エイス・グレード」。てっきり外国映画によくある役名(人名)のタイトルかと思ったら「8年生」というタイトル。日本で言うところの、中学3年生。

実際にその年齢の子を主人公にしているのか、キャスティングの詳しいところはわからないのだけど、ニキビのでかたとか、身体の感じの、どことなくまだ成長の途中のような未発達さなど、かなりリアリティを感じる。それゆえに、水着のシーンや、Tシャツごしでもわかる、お腹の微妙な出方と、童顔のアンバランスさも際立つ。役作りのためにそういった体形をつくったとしたらスゴイなぁと思う。

こういったSNSの時代、自ら発信することができると、鬱屈して学校では馴染めない無口な人物も、何かしら吐き出すことはできるのだろうけれど、それでも承認欲求が満たされないこともある。特にいじめられるわけでもないこの作品の主人公の、絶妙な、ぬるい悩みは、だからこそ、誰もが抱えそうなほどよさ。とはいえ、それが主人公にとっては悩みとしては重要だし、まわりが、わりとすんなりと、いろいろなものを受け入れていても、それを受け入れられず、いちいと立ち止まり、葛藤してしまう。

日本でも、世界でもどこにでもあるタイムカプセルによる、過去からの自分の「世界で最もクールになっているわたし」とは程遠い自分に、過去を拒絶するも、最終的に、高校を卒業するであろう自分に向けたメッセージを残す。「あなたになれるのが楽しみだわ」と言う彼女の言葉は、未来への逃避という弱腰ではなく、今の自分を肯定しつつ、今の自分の意見として、その言葉を残しているように感じる。

ここから先も似たようなぬるい地獄は刻々と続いていく。それでも、そういったぬるさの前できちんと立ち止まり、煩悶し、一つ一つとぶつかる姿は、応援したいと思える。

夜は、なんとなく、ピザを注文することになる。意外と娘が結構な量のピザをたいらげるようになった。それもまた成長か。