東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『排気口』

なんやかんやと暑い日々が続く。仕事先の人から教えてもらっていた『排気口』という劇団がとても興味深く、仕事を早めに失礼して、三鷹へ。新宿から総武線で移動。徐々に高い建物が少なくなって住宅街がひろがってくると、空が広くなる。夕日が綺麗な時間で、車窓からの眺めも気持ちが良い。意外と順調に三鷹に着いてしまい、喫茶店に入るにも微妙で、駅前をふらふらとする。ロータリーのベンチに腰を下ろす。まだまだ蒸し暑い。で、ぼーっとしていたら、足を蚊に噛まれた。

それから、三鷹の芸術劇場へ。20代の頃は、この劇場にもちょいちょい通って、気になる劇団の公演を観ていたけれど、それも今は昔。前日のうちにネットで申し込んでいたチケットを、受付で受け取る。ネットで手続きをした際に、「受付番号を伝えてください」と指示を受けたので、受付番号を伝えるとスタッフの方に「名前を教えてください」と言われる。

それはともかく『排気口』。とても良かった。寂れた商店街で、夏祭りをしようとする住人と、大学生たちが、夏祭りで何をするかを考える、という話で、ベースはオーソドックスなのだけど、登場人物たちの描き方がとてつもなく面白い。キャラクターを誇張しすぎるわけではないけれど、良い按配でふざけており、それが面白い。ふざけ方も下品にならず、きちんと物語を紡ぎ、物語自体も、きちんと現実感があり、決してハッピーエンドにしない物悲しさがある。

ああ、なんて良い作品なんだろう。役者の方々は一部、年齢不詳の方もいたけれど、20代を中心にした集団なのではないだろうか。若い人たちで、これだけ面白い作品をしっかり作り上げているのは良いなぁと思う。つい、物販で売っていたTシャツを買ってしまいそうになったのだけど、なんだか気恥ずかしくて買えなかった。だけど、ビシビシ刺激を受けた。良いものを見ると元気になる。


帰り道。月がとても綺麗だった。中秋の名月の時期。とはいえ、まだまだ暑い。