東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『稽古場問題』

■ 稽古場問題は、いろいろな人の協力を得てなんとかなってきた。本当に有難うございます。とりあえず12月の中旬まではなんとかなりそうなんだけど、いろいろな人のつてで借りているので稽古場があっちいったりこっちいったりになる。僕は、まぁ埼玉に住んでるからどこの稽古場からも程遠いのでどこになろうが返ってへっちゃらなんだけど、というか一度町田を経験した身なのでどこだろうがどんとこい。しかしやはり稽古場が遠いってのがストレスになる人もいるだろうから心配。役者の人たちがいろんなところに住んでるから、誰かの家の近くの稽古場を取ると誰かの家からはえらく遠くなるといったことになり、あっちを立てたらこっちが立たずでもうどうしよもなくなる。それに稽古場も場所によって料金が様々だし、人気のある稽古場はあっという間に埋まっていく。このくらいの時期になると12月を押さえるだけでも一苦労。選んでる余裕もない。まぁそれも自分のせいなんだけど。正直、大学時代そんな苦労をしないで芝居をやっていた身にはこの稽古場問題は苦痛以外の何ものでもない。


■ そういったわけで昨日は池袋に豊島区内の稽古場を借りに行ったのだけど、これはある友人から教わった裏技。というか違法じゃないけど、確実にモラルには反している手段だ。日頃、いろいろと目に付く嫌な出来事に対して愚痴ばかりこぼしておいて、自分もたいして変わらないことやってるじゃねぇかよと思ってしまう。「なりふりかまってる場合じゃないので」と言い訳をすることで、自分を正当化しようとするあたりが駄目なところだし、そういうことをこういった場所に告白していることもなんだか贖罪っぽいことをしてるみたいでみっともない。もっとでっかくなりてぇなぁ。


■ 鑑賞したDVD

アルフォンソ・キュアロン監督 『天国の口、終わりの楽園。』

ナレーションの使い方にぐっとくる。最初は主人公の語りなのかと思ったけど、どうも第3者的な人の声らしい。つまりそれは監督(の意思)だったりするのか。第三者の声など本来はありえないわけで、不用意に入れすぎると返ってうるさく感じられることもあるのだけど、この映画はよかった。なんだろう、基本はありのままの事柄を述べているような感じで、ところどころに感情というか内面を吐露する言葉が入るその具合がいいのだろうか。主人公の若者2人が喫茶店で別れる際、最後のナレーション「もう、会うこともない」が発せられたとき、そんなこと誰にも分かるはず無いのに、なぜだかそれはそうなんだろうなとすんなり思わされて、ただただ哀しくさせられた。この監督が撮っているというだけで「ハリーポッターとアズカバンの囚人」を観てみたい気になった。

ブラッド・バード監督 『Mr.インクレディブル

ピクサーのCGアニメ。割と凡庸な展開。というかむしろそれを毎回きちんと踏襲しているのがこの会社のアニメか。ディズニーのようにアニメを神格化しようともせず、かといって『シュレック』のように所詮アニメだからと醒めて哂う立場にもならずに映画を作っているような気がする。どきっとしたのは中盤、インクレディブルを助けに飛行機で敵のアジトへ向かった家族がロケットで迎撃されるシーン。命を掛ける覚悟を親が子供に実践で伝える。親だから尊敬するのではなく、そういった経験を経て一人の人間として尊敬したからこそ家族はひとつにつながったのではないか。でも、僕は『モンスターズ・インク』が一番好き。


横尾忠則『波乱へ!』(文春文庫)読了。

人生、波乱過ぎ。ジョン・レノン三島由紀夫、それに寺山修司らとある時期を共に過ごしているというだけで、なんだか途方もない。いやはやすげえ。