東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『チエでもなければ岳でもないけど』

10日(土)。池袋の西口付近を歩いていると、東京よさこいのイベントで賑わっていた。よさこいというアレは、その来歴をそれほど詳しくは知らないのだけど、なんだか高い位置に重心があるようなアレだなと思う。

よさこいの人の流れに揉まれながら東京芸術劇場へ。ハイバイの公演「て」を観劇。久しぶりの観劇。ある家族の祖祖母が亡くなる前後の濃密な数日間の話。例えば、芝居の中心になる母親役の役者が、上演前の諸注意の説明を行ない、そのままなんとなく芝居が始まるところとか、舞台上に置かれたドアノブのそれを支える骨組みはありつつもそこに壁がなかったりするところに、演出を担当されている岩井さん独特の『境界』の感覚があるのではないかと想像する。自由度が高いというか。そういった『境界』の感覚で、舞台における時間の流れが、突如として逆行したり、先に飛んだりして、芝居の前半で一度進行した物語が、物語の後半で改めて繰り返されるのだけど、その後半で、前半では語られなかった出来事が語れることによって、物語の層の厚みを感じることができるし、家族が酒を飲み、カラオケをする場面で、前半では描かれなかった母親の望む幸福な家族の団らん風景が嬉々として描かれるのだけど、それが突如として前半の物語に戻されることで、その幸福な時間は本来は幻想であったのではないか考えられ、だからこそ母親のいかんともしがたいやるせなさが想像できて余計に切ない。気が付けば私は、終演後のロビーにて、過去の公演DVDを購入していた。


11日(日)。嫁松の仕事の用事もあり、お台場へ。お台場で昼食をとってから銀座へ。山形県のアンテナショップへ、『つや姫』というブランドの米を買おうと思ったのだけど着いた頃にはすでに完売していた。呆然として帰宅。


12日(祝・月)。かげわたりの家常さんと谷川さんの事務所引っ越しを手伝うために家常さん宅へ。部屋にお邪魔すると、部屋の主であるカエルのアベさんが堂々たる風体で手伝いの人々を待っていた。額にお言葉を添えて。

引っ越し自体はスムーズ過ぎる按配で終了。それよりも引っ越し後のレイアウトが大変だった。とはいえ、そこは主である家常さんや谷川さんがこだわるところなので、持て余した面々で喫茶店等へ。一緒に引っ越しを手伝ったHさんと雑談をしていたところ、驚いたことに幼稚園が同じ所に行っていたことが判明。年齢も一緒なのでおそらく同じ卒園アルバムに載っている。偶然と言うものはあるのだと感心する。

そういえば、かげわたりの宮嶋君が僕を見て「松瀬君、じゃりんこチエに似てる」と言っていたのだけど、いまいち解せない発言であった。
引っ越し後の居酒屋にて、家常さんやらが、幼稚園つながりのHさんに、僕の下の名前は何か当てさせようとしたのだけど、「僕のイメージから想像するとどんな名前?」と問われたHさんは「まつせ・・・岳(たけし)・・?」と答えていた。なんともゴツゴツとしたイメージだな、それは。そんなこんなで賑やかな打ち上げを終えて23時頃帰宅。


13日(火)。仕事で微妙にバタバタ。仕事後、片目が充血ぎみの猫みぞれを雑司ヶ谷の動物病院へ。病院へ向かう途中、鬼子母神の横を通ると、週末に行なわれる『御会式』の練習をする太鼓の音がした。町内ではいたるところに万灯が準備されている。『御会式』はとても賑やかな祭りなのですごく楽しみ。