東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『池袋居酒屋談義』

学会で東京に来ていた大学時代の恩師Kさんと、友人のHくん、後輩のSさんと池袋で飲んだ。まだ、一度も挨拶をしたことがなかったので嫁氏と娘子も最初だけ顔を出す。それほど人見知りをする娘子ではないのだけど、初めて入った居酒屋で、初めて見る人々を前に、画にかいたような『人見知り』のご様子。店に入る前までは意気揚々としていたのにそういうものなのだなぁ。面白いって人ごとの感想。


して、飲み会。近況などを話しつつなんとなく流れは放射能に関わることへ。4人とも、直接の被害を受けているわけではないけれど、通っていた大学が畜産大学であり、Kさんは今も現役で畜産分野で教鞭をとっていて、Hくんも食肉関連の仕事をしている。それぞれの仕事分野で、3.11以後の関わりがある。Kさんが直接関わっているわけではないらしいけれど、低線量の放射線が家畜にどれほどの影響を与えるのかといった研究を行うという話があるらしい。高い線量のところが問題になってばかりいるが、確かにじゃあ下限の範囲というものは確かによく判らない。重要なことはデータを取りつつきちんと調べること。Hくんから聞いた津波の被害に遭われた人の話しも壮絶だった。ふと見た海に、とてつもなく高い波がきていたことを目にし、ひとまず車を停めて車の上に登ったという。そこで波が押し寄せて波に飲まれた。たまたまそのままビルの建物の前まで流され、そこでビルの屋上に飛び移って難を逃れたという。もしビルにたどり着いてなかったらそのまま波に飲まれていたかもしれない。そのような話しがまさに現実としてあったこと。


今、通販生活がネットで配信している『原発国民投票』CM。大滝秀治さんのナレーションが印象的なこのCM。地上波でのオンエアをしようとしたところ、テレビ朝日が断ったという。個人的に憤りを感じつつも、Hくんは冷静だった。断る理由はいくつもあるだろうが、その中でも大きいのは東京電力がテレビ局においてビッククライアントだからであろう。なるほど。今後のことは定かではないが、これまでもたくさんのCMを流してくれたクライアントに対して、『原発国民投票』CMはさすがに気まずいのだろう。分からないではない。が、どこかで何かが歪んでる。そもそも、この『原発国民投票』CMの件を、どこも話題として取り上げないこともだ。黙殺されている。何かおかしい。反対を強要しているわけではない。推進をごりおしてるわけではない。ただ、必要か不要か、みんなで投票して決めようよという呼びかけがなぜ黙殺されるのか。何かが硬直している。KさんやHくんと話しをすると、その辺の硬直さがなく、それぞれの立場からの話しが聞けて刺激を受ける。


もっと話しをしたかったものの、残念ながら時間いっぱい。Hくんが最近,お酒を飲むとめっきり記憶が飛ぶと言っていた。歳のせいだと笑ってしまったが、帰宅してふっと横になったらそのまま朝まで寝てしまった。人のことは言えぬ。