東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『仕事が始まる』

今日から働くことになった。久しぶりに通勤電車に乗る。初日ということもあり着慣れぬスーツで。


内定の連絡をもらったのは嫁氏の実家の山形にいく前日だった。面接なども連休明けにあり、二次面接、筆記試験とあれよあれよという間に進み、連絡をいただけた。義父さんや義母さんに面と向かって会うときに、なんとなく手みやげ的なことになれたのも幸いだった。帰ってから仕事内容などの説明をしてもらい、6月頭から研修ということになった。研修は3ヶ月。場合によってはそこで不採用の可能性もあるので、なんともではあるし、とにかく一生懸命働かなくてはならない。


夕立のような強い雨と、地震があった日。今日は初日ということで定時くらいであげてもらったが、週明けからは少しずついろいろ学ぶ事も増えてくると思う。帰りの時間も少し雨がばらついた。もうすぐ梅雨入りだろうか。スーツだと汗ばむほど蒸し暑い。緊張もあったので疲れた。腰も少し痛い。帰ったら娘子が「おかえりー」と言ってくれた。久しぶりの響き。


北杜夫さんの『楡家の人びと』第一部からの抜粋。
こんな感覚を共有できる物語が、自分は好きなのだと思う。

わずかな日数のうちにさえ、病院の内にも外にも数々の事件が起る。そのたびごとに、人々は仰天し、あるいは可笑しがり、あるいは真剣な表情になる。しかし日が経ってゆく。週が、月が積もってゆく。一体あのときは何があったのか?何かがあったことはわかってる。あのようなこと、このようなことが確かにあった。だが、それは刷られた活字のようなもので、あのいきいきとした感情のうごきはもはや帰ってこない。