東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『浜松へ』

5月30日(土)。朝からレンタカーを借りてでかける。最寄りの高速入り口は護国寺なのだけど、そこから上がると大体混んでいる。この日もやはり混んでいた。3号線に入るあたりでは流れるかなと思ったけれど、そうでもなく、混んだまま東名に入ってしまった。事故渋滞もあったらしい。あまりスムーズに流れないと少し車内もまどろむ。特にこの日は暑かった。後から真夏日になったと知った。とはいえ、たまに雨が降るなど不思議な天気でもあった。富士山が見えるかと思ったら、山のまわりが霧につつまれたようになっていた。残念。目的地の浜名湖に着いたのは14時過ぎ。
妻がかつて働いた都市緑化フェアが浜名湖で行なわれていて、それを観にいった。実は10年前にも同じ場所で行なわれていて、10年前も出かけていた。その場所を歩いているとなんとなく見覚えがある。毎年、そのフェアで働いているYさんという方にいろいろと案内をしてもらう。僕自身、それほど植物の知識があるわけではないのだけど、諸々ぼんやりと観ているだけでもそれはそれで面白い。娘は公園を散策するような気持ちで歩いていた。赤とんぼを見つけた。後半、疲れた娘は抱っこしてくれとせがんできて、仕方が無く抱っこをしたのだけど、やけに暑い中で抱っこをしているとさすがに疲れた。


泊まる場所も考えずに出かけてきた。そのことをYさんに話すととりあえず温泉に入れる場所ということで近くの温泉を教えてもらった。夕方にそこへ行く。ついでにそこに泊まるかと話になり、空き状況を尋ねると空いていたのでチェックイン。ありがたい。9階の部屋からは浜名湖が見えた。夕暮れの浜名湖。ここに住む人には当然の光景なのだろうけれど、住んでいるそばに大きな川や湖が無いので、これほど大きな湖がそばにある暮らしというものが想像つかない。ただ、夕暮れのそれはとても見晴らしがよかった。


温泉に入ると、中年の男性の団体が話をしていた。どうやらバスの運転手の方々のようで、高速の移動だけだと飽きるよなという話をしていた。関越はまっすぐ過ぎて飽きるとかそういう話。そういう話を聞くのは面白い。


夜の食事はバイキングのコースだった。それは、まぁ、あまり美味しくなかった。


朝起きたら、体調が悪かった。おそらく前日の暑さと疲労で体調を崩したようだ。少し風邪気味になってしまい、チェックアウトの11時まで横になっていた。その間に妻と娘は温泉に入っていた。チェックアウト後、すぐに高速に乗るのも味気なかったので、なんとなく一般道を走る。しばらく走っていると中田島砂丘という看板を見つけ、そこへ寄ってみた。砂丘がどんなものなのだろうと思ったけど、行ってみて驚いた。一面が砂地だった。しばらくぼんやりとそこにいた。暑がりな性分なのだけど、風邪ぎみだったせいか汗もかかず、日差しが心地いいくらいだった。妻は砂を足にかけてちょっとした砂風呂に入るような格好をしていた。娘は砂あそびに夢中だった。僕は気持ちだけ、写真家植田正治さんの気分でカメラを構えてみたけど、そこはやはりうまくはいかなかった。妻が木の枝を地面に刺して、娘と靴をかけて遊んでいるところが、なぜかタルコフスキーの『サクリファイス』を思わせた。写真で見るとそうでもないけれど。ともかく良い場所を見つけることができた。


さらに車を走らせて、御前崎の看板がでてきたけれど、そこへ行く体力はなかった。車を走らせていると、浜岡原発の横を通り過ぎた。もちろん名前は知っていたけれど、まさかこんな車が走れる傍にあるとは思わなかった。恩恵はもちろんあるのだろう。だけど万が一がもたらすものはあまりにも大きい。


しばらく一般道を走って、高速に乗り、例によって渋滞に巻き込まれて帰路へ。帰りは22時過ぎになってしまったけれど、こうやってでかけるのは愉しい。ただ、今回体調を崩したのが残念だ。今もそれを引きずっている。早く回復せねばならない。