東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『トーチ』

金曜。快晴で気持ち良い朝。少しばかり風が冷たい。仕事で、銀座の方へ電車で移動したけど、平日の日中とは思えないほど、電車は空いていた。銀座一丁目駅から地上に出ると、さすがに働いている人はいたけど、それでもそこまで多くの人はいないような印象。街中のスターバックスなど『5/6までお休み』と掲げている店が目立つ。京橋にある国立映画アーカイブも閉まっていた。夕方、喫茶店に入って仕事をしようと思ったけれど、どこもわりと早目に店じまいをしてしまい、なかなか落ち着いて仕事ができず、東新宿から早稲田、高田馬場方面へ少し歩いていて喫茶店を探すも見つからない。その途中で、早稲田松竹も休館であることを知る。

例えば、このコロナ騒ぎが落ち着いたあと、改めて振り返ったとき、この混乱はどういう風に語られるのだろうかとか思う。自然災害とも違い、一応、人災でもない、これまでの台風や津波などとは違う、言葉が違うかもしれないけれど、なんとなく緊張感の無い、それでいてジワジワとした嫌な気分が蔓延する。マスクをしないと非難の目で見られるような気がするし、子供が外で遊ぼうとするとそれを拒む空気があり(もちろん、子供を守るためのものでもあるのだろうが)、『自粛』の淵のせめぎあいをいろいろなところでしているような感じがどうにも気持ち悪い。

東京だけのことなのだろうか。都市圏だけの深刻さのような気もする。サービス業は深刻な問題になるというのも、これまでの災害とは異なる気がする。決定的に。だけど、そここそが現代的な深刻さだし、この脆さは、資本主義が今のままさらに加速すればこれからも起こりうる。息苦しいなぁと思う。

夜になると、なおさら冷え込んで、まだまだ暖かくはならないのだなぁという感じ。少し早歩きで高田馬場から帰路へ。月が大きくてびっくりしつつ。

音楽は、折坂悠太さんの『トーチ』ばかりを繰り返し聴いている。なんだか今のクサクサした気持ちを柔らかくしてくれる。