東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『おもひでぽろぽろ』

朝起きて、蒸し暑かったので汗だく。シャワーも浴びずに寝てしまっていたのでとてもべたべたする。二日酔いというわけではないのだけどなんとなくまだ怠い気持ち。

 

洗濯ものをして、それを干す。今日も今日とて、雲は多いけど心地いい快晴。それから洋服を少し整理。服を入れている引き出しの中をちょっと片づける。なぜかお気に入りのTシャツが1枚、見当たらない。なぜだろう。不思議。それから仕事に行くまでに少し横になる。仮眠したら少し元気になった。

 

仕事をしていると徐々に元気回復。夜になり、空が少しピカピカと光る。雷かなと思う。家に帰り、娘が友達から借りたという高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』のブルーレイを観る。久しぶりに観た。以前、VHSに録画していたのをスタンダードサイズのテレビで観ていたが、HDサイズで観るのは初めてではないか。改めて見返して、物語はもちろんだけど画の描写にも工夫があったことに気づく。表情に筋肉描写をつけて描くなど写実に近い描写をしていたと記憶していたけどそれは現代パートだけで、回想パートはかなり平面的な描写で喜怒哀楽の表現もかなりアニメチック。恋をすれば頬を赤らめるし、ベタに青ざめる表現や、怒ったときも青筋を立てたりする。恋をすればハートが空を舞い、なんなら人物も浮かれた気持ちのまま空を飛ぶ。回想パートはリアリティよりも遊び心満載の表現が実に豊富。これは見返して初めて気が付いたのだけど、回想パートは陰影の描写が顔の表情には無い。冒頭の方にある野球少年と主人公タエ子が夕焼けの街角で会話を交わすシーンはさすがに夕日の強い日差しを浴びるので顔にも影が射すけれど、あくまで夕日が当たっていることを表現するための平坦な陰影のみ。他の場面は観ている限り、回想シーンの表情には光の陰影はない。その分、シンプル、かつ、コミカル。おばあちゃんの描写は回想と現代パートで明らかに違うし、少年少女の描写も、表情のつけ方もしっかりと描き分けている。おそらく筋肉描写を現代パートで描いたのも、回想シーンとの表現の差別化のためなのだろう。その微妙な描き方の差異が、映画の進行のアクセントとしてもしっかりと効いている。そしてHD画質で観ると、パイナップルを食べているところで実はタエ子が汗をかいていたことや、体育を休むシーンで生理と勘違いされることを嫌がるタエ子が憤怒するシーンで涙を流していたことなども気づかされる。高畑勲さんのアニメーションへのこだわりに改めて気が付いた。

 

それにしても、小5の女子生徒が生理について学ぶシーン。考えてみると娘は小4でまもなくそういう時期なのか。時が経つのは早い、というか、よもやそんな年代の娘とこの映画を観る時代がくるとは。

 

深夜になり、なんだか天候が少し悪くなってきている。明日は雨が降りそう。