東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『母の退院』

ここ数日、朝早く起きる仕事が続く。早いといっても6時台に起きるくらいなので、それが日常の人もいるだろうから、たいそうなことでもない。

 

23日土曜。どんよりとした雲。天気予報では午後から雪に変わるという。池袋まで歩く。息は白いが不思議とそこまで寒くない。マフラーが少し暑いくらいに感じる。朝7時台だからかもしれないが、池袋も人はまばら。ふと、先日までやっていた居酒屋が閉店していて、気分が少し落ちる。

 

電車に乗って母の病院へ。4か月かかった母の入院が今日で終わり。退院。お世話になった担当医師の方や、アドバイザーの方は残念ながら出勤されておらず、他の看護師の方から退院に際する説明を受ける。母が入院していた病室は、建物の5階にある。面会時、5階から見渡せる風景がなんとなく良かったのだけど、それも見納め。それから近くに住んでいる叔母さん夫婦が車を出してくれて、荷物を持って実家へ。

 

午後から雪に変わるという予報だったけれど、とりあえず、雨が続く。家に帰り、いろいろと整理をしつつ。僕らが用意したベッドの高さが、高過ぎたらしく、伯父さんの協力を仰ぎながらベッドの高さを下げる。男手があって助かった。あれこれして、ひとまず一息。

 

父の遺影の横に飾ってあった胡蝶蘭。すっかり枯れてしまっている。思い返せば父が亡くなった際、献花としていただいたものだ。枯れてしまったのでそれも処分。それで、なんだか、ようやくいろいろなことが一区切りついた気がする。9月。父が亡くなり、母が倒れてしまった。そこから入院。気が付けばあっという間に1月末。

 

母が元気になったことを、心配してくれていた親族へ連絡。母の入院に際して、グループラインを作っていた。そこに母の顔写真を送ろうと思い、母にカメラを向ける。入院中はそういう写真を送ろうとするのを嫌がっていたが、今日はそうでもなかった。撮られた写真をみて「首が傾いている」と撮り直しを要求される。

 

夕方になり、僕はどうしても行かねばならない仕事もあったので、家を出る。夕食の準備に母は叔母が買ってきてくれた野菜で、野菜炒めを作った。料理も少しずつ。これから家でのリハビリも始まる。

 

実家から仕事に向かうのは、自分の家から通うのよりも2.5倍くらい時間がかかる。まぁ、仕方がない。というか、東京で暮らすことができるのが贅沢なのだ。電車に乗っている時間は本も読めるし、それはそれで良い。退院初日、本当なら僕は付き添わなきゃならないのだけど、仕事が終わったのは22時過ぎだったので、この日はそのまま自宅へ。娘も嫁も起きていた。考えてみたら土曜だからか。

 

24日。この日も仕事で早起き。寒かったけど、雪にはなっておらず、雨のままだった。少し残念な気もしつつ、車仕事なのでほっとしつつ。諸々仕事を終えて、夕方5時過ぎに、職場から帰路へ。普段と違う電車に乗る。長旅。ここ最近は、少し小説を読みたい気持ちで、鞄から小説をだして読み始める。気が付いたら眠っていた。乗換駅で降りて電車を待つ。久しぶりの感じ。小一時間ほどの移動時間。母からメールがあり、買い物のお願いが書かれていた。地元の駅についてから、コンタクトの洗浄液を買ったり、母から頼まれた買い物をしたり。入院中、ほとんど空だった冷蔵庫に少しずつ食材が増えていく。

 

溜まっていた書類関係を母があーだこーだいいながら整理していく。毎日ではないけれど、しばらくは実家と職場を行き来する生活。それはそれでどうなるものか。実家の夜はなんだか静かだ。