東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『3日と4日』

明け方、ふと目が覚めて携帯を見ると、一つのLINEがある。その文章を見て、どうしていいのかわからなくなる。朝、改めて目覚めて、ひとまずゴミ捨てなど朝の準備をして、仕事へ行く。さらにもう一通、LINEが来る。返事をかえす間がなく、先にその人からまた来てしまった。電車でひとまず仕事先の渋谷へ。その人へLINEを送る。整理した言葉など見つからず、できる限り正直な言葉で送る。昼、それとは別に、友人のMくんから久しぶりに連絡をもらい、電話をして少し話しができる。元気にしているようで、少し話しができて気持ちが柔らいだけれど、その後、さらにその人から連絡をもらい、その内容にまた冷静ではいられなくなる。とはいえ、仕事がある。平静を装いつつ、仕事に向き合う。こういったトラブルが仕事上のものなら、できるだけ冷静に対応できる方法を模索するが、そういう感じになることもできず、ただただどうしようもない気持ちになる。

その人に電話をかけてみるが、つながらない。さらにその後、LINEでまたメッセージが来る。どう返していいのかもわからず、ダメもとでもう一度、電話をする。ただ、何かを言えるわけでもなかったのでうまく言葉もでなかったのだけど。ひとまず一度、電話を切る。

その後、とりあえず渋谷を徘徊して、そういえば昼ご飯も食べてなかったので、空腹だった。なんとなく入った中華屋でとりあえずお腹いっぱい食べようと、レバニラ定食と野菜タンメンを頼む。店員さんが注文を確認してきたが、それで、間違いないですと言う。タンメンにラー油をたっぷりかけて、夢中でかきこむ。なんやかんやと一気に食べる。その後、少しやらねばならない仕事を公園通りをあがったあたりにあった公園でする。八時を過ぎると、肌寒くて耐えられなくなったので、原宿駅まで歩く。公園通りから原宿方面は街灯も少なく、やたらと暗い。山手線に乗っている人も少なく感じる。

夜になって、気持ちは霧散していたけれど、メッセージが来ないうちは、浮つきながらも、少し冷静になっていた。夜に、改めてLINEが来る。それでまた、どうしようもなくなる。ここまでくると、もう自分一人で対応できるものではなくなってきて、深夜、というか明け方だったが、家族の者を起こし、すべてを話す。明け方の一番冷えてくる時間だった。暖房を着けた。

いろいろ話て、結論めいたことはできないのだけど、ひとまず、話し終わって、疲れて眠気がおそってきたので、また眠ることにした。

翌朝、仕事があり、ひとまず家を出る。気持ちは落ち着かない。陽射しはホッとするような心地よさがある。スタバに入ろうと思ったら、緊急事態宣言を受けて、持ち帰りだけの販売と言われてテイクアウトでアイスコーヒーを頼む。やたらと高いビルの敷地に座る。真横は高速道路が走っているが、結構な数の車両が行きかっている。昨日の続きのLINEのやりとりをするが、言葉ではうまく伝わらない。会って話ができないかと相談すると時間をつくってくれた。指定の時間と場所を言ってくれたので、そこへ行く。賑やかな繁華街。人の多さに少し途方に暮れる。

そこで、その人に会い、話をした。2時間近くだったと思う。もう少しその場に残るというので、僕だけ先に出た。

どうしようもない気持ちになり、ひとまず道路標識を目印に歩く。ひたすら歩く。繁華街は人が多い。顔を伏せて歩く。マスクをしているのが救いだった。これほど涙が出るのかと思うほど泣いていた。歩いて歩いて、ひとまず海まで着いた。海沿いの公園。着たことはなかったけど、広々として心地の良い場所だった。ここも人がたくさんいた。これ以上、歩けない場所までたどり着いて、ようやく立ち止まれた。釣り客がたくさんいる。そこに座る。

自分の身勝手な行動で、人を傷つけてしまった。そもそもの行為が許されるものではなかった。「たられば」を言えば、過去にもどってやり直したいタイミングがたくさんある。だけどそんなことができるはずもない。引き返すことはできず、ここから先に進まなければならない。自分だけなら自分でなんとかすればいい。が、そういうわけにもいかない。自分には何もできない。

こんな時にも仕事は待ってくれず、いくつか対応をする。だけどそういうことも少し救いだと思えてしまう。

ふと、空の結構上の方を飛行機か何かが飛んでいた。雲が尾を引いていて、空に一本の筋を描いていた。長い飛行機雲だった。飛行機雲ができるということは上空に水分が多く、翌日は天気が悪くなるらしい。明日は雨だろうか。飛行機雲が見えなくなるまで見上げていた。空が本当に高いと思えた。日が暮れてきて、それでもしばらくぼんやりしてから、歩いてまた駅の方へ。何かあると、ふと考えてしまい、そのたびに泣けてくる。本当に泣きたいのは僕ではない。傷つけてしまった人だろう。すぐに解決するものではない。帰りの電車、なんとなく各駅停車で帰ったけれど、それでもそこまでかかるわけではなく、あっさりと最寄り駅に着く。

家に帰り、家族の者にもいろいろ話す。

何も終わらない。終わらないまま、一日が終わる。