東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『前田司郎さんの戯曲集を読む』

朝、少しゆっくりできるはずだったので、ちょっと朝寝坊をしようと思った矢先、仕事関連の電話が鳴り起こされる。こればかりは仕方がない。それが解決したあと、どうにも起きる気力がわかず、布団の中でぐずぐずする。

ようやく起きだして、朝食を食べたり、モタモタと仕事の準備。そういえば、娘が最近、僕の本棚から、前田司郎さんのエッセイ「私たちは塩を減らそう」を持ち出しており、読んでいるらしい。それについて僕がどうこういうつもりはないのだけど、何かしら刺激を受けるものがあるのだろうか。

準備をして、家を出る。職場には行かず、明治神宮前で降りて、よく行くカフェへ。が、改装で休業していた。茫然としつつ、近場でカフェを探す。見つけたスタバでzoomで打合せ。

打合せを終えてからメール作業諸々。そして、またzoomで一つ打合せ。とてつもない人数が参加しており、果たしてこれは意味があったのだろうかと思いつつ、一言も何も発せず終了。それからまた、メール作業をいくつかしてから、ようやく一息。

で、僕も、前田司郎さんの4本の作品が入っている戯曲集を読む。『偉大なる生活の冒険』『おやすまなさい』『キャベツの類』『すてるたび』。どれも数名の登場人物たちの、会話劇。場所は特定されているようで、いつのまにか空間や時間がずれていったりする。そこに細かい説明はない。あとがきで前田さん自身も以下のように語っている。

僕が戯曲の中で意識している複数の流れのうちのもう一つの流れは、生命の流れだ。血が流れるように戯曲は一匹の獣でいて欲しい。(中略)テーマなどいらない。有機体であることに、テーマなどいらない。ただ生きてさえいれば良い。

他愛も無いおしゃべりの中で、でも、そこには、生きていくこと、死んでいくこと、忘れること、人にとって根源的なものが語られているように思える。一気に読んだもののさすがに四本は疲れた。

夜になっても、翌日のための仕事のやりとりが続き、いろいろ疲れる。で、腹も減り、原宿にある横浜家系のラーメン屋へ入る。中東の方か、外国の方が切り盛りしているチェーン店で、手際よく家系ラーメンを作っている。店内のBGMは2000年代のヒット曲たち。speedとか。外国の方が作る家系ラーメンを、かつてのジャパニーズPOPを聴きながら食べる、それも原宿で。お腹いっぱい。

それから腹ごなしに裏道を新宿方面へ。神宮前あたりの住宅街のような商店街のような道を歩く。普通の民家の中に突然、良い具合の飲食店や洋服屋さんがあり、なんともおしゃれな感じの人たちが店前で談笑している。原宿真ん前とは異なる落ち着いた雰囲気。路地を歩くと発見ばかりでそういう感じが東京の良いところなのだなと思う。鳩森八幡宮という神社があるのだけど、これが良い雰囲気でいつかきちんとお参りしたいと思いつつ、いつもタイミングを逸する。商店街を歩いていると、ご年配の男性が二人、路地で話をしており「良い風が吹いている」としゃべってる。確かに夜は気温も涼しく、風も心地いい。

結果、仕事の電話やメールをしつつ、新宿まで歩いて、そのまま帰宅。

筋トレ、マラソンをして、一息。夜はまだ涼しい。

6月に入った。