東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『台風クラブ』

朝、8時半起床。モタモタしてしまう。朝食を食べつつ、洗濯。ご飯を食べ終わり、洗濯ものを干しつつ、布団も干す。快晴。天気予報を見ると、明日は雨とのこと。年末に雨が降るのは珍しい気がする。

それから、出かける。やや仕事もしつつ、菊川へ。strangerという以前から気になっていた映画館で、相米慎二監督の映画「台風クラブ」4Kレストア版をやっているので、この機会に劇場で、と観る。9月くらいからいくつかの映画館で上映されているのが、ことごとく見れず、その上映を記念して出版されたシナリオ本を読んで、観たい欲がかなり膨らんでいたところだった。

以前に観たときに印象と変わらずにある部分と、今回、改めて(おそらく年齢も重ねたから)違う印象になった部分がある。「ただいま」「おかえり」を繰り返す少年の姿の不気味さや、台風が近づくことで狂乱する少年少女のあられもない姿に、一度はともに浮かれる主人公である三上が、厳粛な生き方をしていないと己を律し、そのために死を選ぶも、その死自体は、一見すると厳粛とは遠い滑稽さがあるような描写。結果的に、台風の中、素直に帰宅した少年と、一人、東京へと家出をし、やはり思い返して、元ある場所に帰ってきた少女の2人には、新しい朝の描写があり、台風が過ぎ去ってある種、いったんの破壊が終わった世界を「金閣寺みたい」と清々しい感想と共に迎えることができたが、他の少年少女たちや、教師たちに、その描写は無い。

個人的には、「きっと、僕が一番最初に雨を見た」と、台風の存在に一番最初に気づいた少年の、誇らしく笑いながら言うセリフや、三上が自死を選択するとき、それまで持っていたピンポン玉がコツコツと音を立てて落ちていく音をしっかりいれている見事さを、再確認できたことが良かった。

菊川は、滅多に来ない町で、そういう町にこれるきっかけが出来たこともよかった。墨田川を越えた先にある墨田区江東区は、都内中心部とはどこか異なる印象で、それはなんでなんだろうといつも不思議に思うけど、碁盤の目のように通りが縦と横に走っていて、整ったつくりが、どこか中心部のごちゃごちゃしている風景とは異なるからなのかもしれない。

ふと、空を見上げたら、飛行機雲がでており、上空の水分が多いことがうかがえて、なるほど、これは明日は雨なんだなと思わせる。

都内に戻って、賑やかな場所は年末の浮かれた雰囲気がありつつも、オフィス街は結構静かで、普段の土曜とは違った視界だった。22時過ぎ、そこそこ混雑しているのかと思いきや、電車は割と空いていた。

やや疲れて帰宅。