東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『船を待つ』

朝、7時45分起床。朝食を食べて、風呂に入り、出かける。中野坂上の交差点を曲がり青梅街道へ。それから五日市街道に。以前、20代で芝居を夢中でやっていた時、なぜか、五日市街道を頻繁に車で行き来していた。吉祥によく行っていた。

今回も久しぶりに吉祥寺へ。吉祥寺シアターで「船を待つ」という舞台を観劇。当日券を購入。仕事が不規則なので、前売りを買うことはほぼ無い。ただ、考えてみると、以前から、チケットを事前に買っておくということはあまりなかった。大人計画やナイロンの舞台も、いつも、本多に当日券を買いに並んでいた。計画的に動くことは若いころから苦手だった。

当日券はシアターの2階部分からの観劇。でも、個人的には俯瞰で観れるのが好きなので、それでよかった。舞台上は、中央に、人ひとり分の幅の白い線が引かれているだけの、とてもシンプルな作り。海の、波の音が流れる客入れ。心地いい。

この世の中の諸々の生き抜くさや、先行きの不安。どのようになっていくのか見えにくいし、20代のころにあった「なんとなかなるだろう」みたいな無根拠な明るさも持てない。でも、そうであっても、くるのか、こないのか、もう来てしまったのか、よくわからない船を、それでも、ひとまず待ってみようというとき、できるだけ陽気に、待ってみよう。否定的にならずに。

観終わってから、少し都内で仕事。終えて、外に出たら、雨が降り出す。そこまで寒くはないけれど、春先の雨。

友人に、小栗康平監督の作品が面白いことを紹介したところ、「死の棘」で、岸部一徳さんが、不倫相手の木内みどりさんの家を訪れた時の、木内さんの玄関の電気のスイッチの着け方が魅力的だと感想をくれた。スイッチを見ずに、岸部さんを見つめながら、すっとスイッチがある方とは別の手を伸ばして、あえて、身体に交差させるように手を伸ばしてスイッチを着ける。その視点が興味深い。

夜になっても雨はポツポツと降り、すっきりしない。帰宅して小栗さんの作品が気になって、DVDを再生させようとしたが、なぜか再生できない。他のDVDやブルーレイは再生できるのに読み込まない。なぜだ。